スイッチは現在のネットワーク構成の中で大きな役割を担っています。特に,CiscoのCatalystスイッチのような多機能スイッチでは,その設定がネットワークの構成に大きく影響を与えます。また,CCNA試験でも以前に比べてスイッチの設定問題がよく出題されるようになりました。スイッチの基本的な設定方法を覚えていきましょう。

スイッチの構成

 CCNA試験で出題対象となるスイッチはCatalyst2950スイッチです。Catalyst2950スイッチは,以下のコンポーネントで構成されています。

  • CPU
  • RAM ・・・ ARPテーブルの格納用,入出力バッファなど
  • ROM ・・・ POST(起動時診断プログラム),ブートローダなど
  • フラッシュメモリ ・・・ OS,設定ファイルなど
  • ポート ・・・ FastEthernetのポートが12,24,48ポートのモデルがある。またGigabitEthernetを持つモデルもある

 スイッチもルータと同様,オペレーティングシステム(OS)によって動作します。Catalyst2950スイッチで使用されるOSは,Ciscoルータと同じIOSで動作します。したがって今まで学習してきたIOSの操作法が,そのまま使えます。

  • ユーザモード,特権モード,グローバルコンフィギュレーションモード,詳細設定モードがある
    • モードの移行は,enable,configure terminalなど,ルータと同じ
    • enableパスワード,ログインパスワードも設定できる
  • 「?」や「TAB」などのヘルプ機能がある
  • 設定はrunning-configに保存される。起動時設定はstartup-configに保存される
  • copyコマンドにより設定ファイルやIOSのバックアップが可能

 ほかにも,スイッチへの接続法もルータと同様にconsoleとvtyの2種類があります。これもルータと同様にパスワードを設定することができます(図1)。

 図1 スイッチでのConsoleパスワードの設定
スイッチでのConsoleパスワードの設定

 showコマンドもルータと同様に使用できます(図2)。

 図2 スイッチでのshowコマンド
スイッチでのshowコマンド

 スイッチ独自の機能を設定するために,必要なルータにはないコマンドを使うこともあります。ただし,ベースになっているのはIOSで基本操作は同じですから,戸惑うことは少ないでしょう。