上山信一の「続・自治体改革の突破口」
目次
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第185回 大阪城公園の再生にみる新次元の指定管理者制度
大阪城公園が連日、観光客で大にぎわいである。ほんの2年前までは天守閣の博物館以外は何もなく、ひたすら散策するだけの場所だった。だが、今や会議やイベント、飲食、物販で人が集まり、海外からの観光客の周遊バスも集中し、京都や奈良の名刹に負けない一大観光拠点になりつつある。きっかけは大阪市のパークマネジメ…
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第184回 下水道の未来を考える
コンセッション方式のメリットを考える
浜松市が下水道事業へのコンセッション導入を検討している。大阪市は下水道事業の外郭団体を株式会社化し、大阪府下の市町村への技術支援を始めた。背景には事業の持続可能性への懸念がある。
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第183回 いかにして公務の「ワークライフバランス」を改善するか
東京都の事例を手がかりに
「働き方改革」は、もはや国家戦略といえるほどの広がりを見せている。官民問わず、「早く帰宅せよ」「休暇をとれ」「フレックス勤務を考えろ」と経営者が旗を振る。結構なことだが公務の現場では矛盾に悩む声も多い。なぜなら、いまどきの役所は猛烈に忙しいのである。
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第182回 火災の犠牲者も被害もまだまだ減らせる
常識を捨ててみよう
火事、交通事故など身近な災難は全国的に減っている。それでも年間で全国では1400人以上、大阪府でも90人が火災で亡くなり、焼損被害額は全国で752億円、大阪府で36億円にも達する。さらなる努力の余地はないのか、大阪府市が共同で調査をした。すると全国各地の消防のあり方の参考になる結果が明らかになった…
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第181回 市場移転問題、なぜ拙速な判断は賢くないのか?(下)
6月20日、小池東京都知事は市場移転問題について会見し、結論を「築地は守る。豊洲は活(い)かす」というキーワードで示した。今回は、当日のプレゼンテーション資料や市場問題プロジェクチーム(PT)、市場のあり方戦略本部の資料も手掛かりに、その本質を整理してみたい。
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第180回 市場移転問題、なぜ拙速な判断は賢くないのか?(上)
東京都の築地市場の移転をめぐる議論が盛んだ。2016年11月に知事はいったん豊洲への移転を中止した。その後、あるはずの盛り土がなく、ないはずの地下水と汚染物質があるなどの事実が露見した。「延期は正しかった」と多くの人が思った。しかし「さっさと本格移転を決めるべき」といった厳しい意見も出ている。
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第179回 小池都政の行政改革-今までの「行革」を超えて-(下)
前回に続き、小池都政の「2020改革」について解説しよう。都庁には監理団体(いわゆる外郭団体)が約30ある。これらについては国の外郭団体と同様に、今までは人員や団体数の削減などの総量規制を一律に求めてきた。しかし、今回は団体ごとにその役割が見直される見込みである。
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第178回 小池都政の行政改革-今までの「行革」を超えて-(上)
小池都政は昨年来、オリンピック会場予算の見直し、卸売市場の移転問題、新年度の予算編成に忙殺されてきた。しかしその他の改革も着々と進みつつある。3月31日、都政改革本部は都庁では9年ぶりの行政改革の方針を示す「2020改革」の概要を明らかにした。筆者は特別顧問として同改革の設計に助言をしてきた。
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第177回 IoT、ビッグデータ時代の自治体行政(その2) ――IoTと行財政改革
前回は、センサーとデータ、通信技術の発達が自治体行政を大きく変える可能性があると紹介した。今回は特に行財政改革に与える影響を考えたい。行財政の将来を考える上で重要な要素といえば、「インフラ老朽化」と「人口の超高齢化」の2つである。くしくもIoTとビッグデータはこの2つの課題の解決に貢献しうる。
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第176回 IoT、ビッグデータ時代の自治体行政(その1)――スマートシティは実現可能か?
IoT、自動運転、ドローン、ビッグデータ、そしてスマートシティなど、ICT技術の進化が社会やビジネスにもたらす変化がしきりに喧伝される。またAI(人工知能)が発達するとなくなる可能性のある職種のリストなども流布され、誰しもが変化の大きさにワクワク、あるいは不安を覚える昨今である。そういう時代に自治…
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第175回 東京五輪――何が1964年と違うのか?(その1)
3カ月間、東京都庁の都政改革本部の特別顧問として2020年オリンピック・パラリンピック大会のあり方を見直してきた。今回の見直しでは都庁が建設中の3つの大型施設のコストが、最低でも約430億円(元の建設計画の約26%)のコスト削減が可能とわかった。一部はもう着工した中でのギリギリのタイミングだったが…
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第174回 2020年東京五輪をどうするか?――調査報告書への質問に答える
9月29日、都政改革本部の調査チームが2020年東京五輪・パラリンピックの調査報告書を発表した。「Ver.0.9」となっており、完全最終版ではないが、調査は9割方終えた。発表後、様々な方々からいただいたご意見を踏まえ、2020五輪のあり方について考えてみたい。
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第173回 オリンピックと大学のビジネスモデルは似ている
9月から東京都庁に「都政改革本部」ができ、特別顧問の仕事を始めた。テーマの一つにオリンピック・パラリンピックの調査がある。これは、予算、組織や国と組織委員会との連携体制を調査し、改善余地があれば知事に提案する。守秘義務があるので調査の途中経過は紹介できない。だが作業の過程でオリンピックについて今更…
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第172回 大阪より12年遅れで始まった東京都の改革――すべては情報公開から
小池知事の就任で東京都の改革が始まった。選挙戦から保守の分裂、無党派の支持、劇場型選挙などの要素をとらえ、大阪の維新改革との類似性を指摘する向きがあった。実のところはどうか。掘り下げて考えてみたい。
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第171回 行政改革3.0――予算・人員の管理から資産・施設の活用へ(下)
前回は、削減中心の行政改革「行革1.0」、生産性改善の行政改革「行革2.0」に続き、これからは既存の施設(ストック)の有効活用に着目すべき(「行革3.0」)と提案した。具体的にどうするのか。
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第170回 行政改革3.0――予算・人員の管理から資産・施設の活用へ(上)
消費増税が延期された。増税しても焼け石に水だったとはいえ、先送りとなると一層の行政改革が要請される(景気対策のための財政出動は別として)。計2回で、これからの国と地方の行政改革について考えたい。
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第169回 その後の大阪維新――ポスト橋下時代の戦略シナリオ
もうすぐ、「大阪都」の住民投票から1年、そして橋下市長の退任から半年がたつ。その後の大阪はどうなっているのか。最近の大阪維新について解説したい。
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第168回 インバウンド誘致に公立美術館の再生を
最近、立て続けに公立美術館(長野県、大阪市、枚方市)の再生・建設のプロジェクトに関わることになった。以前にも川崎市、静岡県、新潟市の既存の公立美術館の評価や改革に関わったが、いずれも既存館の経営改善が課題だった。
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第167回 マンネリ化する「行政改革」――“行革”自体を“行革”しよう
最近、ある市長から「行革大綱(案)」への意見を求められた。一読して「うーん」とうなってしまった。率直に言って、20年前と同じメニューであまり進歩がない。前半で人口減と高齢化を繰り返し、トーンが暗すぎるし、スマホやIoT(Internet of Things)などネット時代の技術革新への言及もない。
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第166回 なぜ、今、副首都が必要なのか?(下)
前回、予告したとおり、2015年12月28日に大阪府市の「副首都推進本部会議」が始まった。筆者も府市特別顧問として参加し自説を紹介した。
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