概要 
ICMPのecho要求メッセージを送信し,相手とのIPレベルでのネットワークの接続状況を調べる。

 構文 
ping [-t] [-a] [-n 繰り返し回数] [-l サイズ] [-f] [-i TTL値] [-v TOS] [-r ホップ数] [-s ホップ数] [{-j ホスト・リスト | -k ホストリスト}] [-w タイムアウト時間] 送信相手

 利用環境 
Windows 95 ○
Windows 98 ○
Windows Me ○
Windows NT 4.0 ○
Windows 2000 ○
Windows XP ○
Windows Server 2003 ○

 オプション 

(なし)ヘルプを表示する。
-tユーザーからの指示があるまで,echo要求メッセージを送信し続ける。ユーザーがキーボードから「Ctrl+C」を押すと送信を中断し,それまでの統計情報を表示する。「Ctrl+Break」を押すと送信を中断せずに,その時点の統計情報を表示する。
-a送信相手をIPアドレスで指定した場合に,逆引きで名前解決をして結果を表示する。
-n 繰り返し回数echo要求メッセージを送信する回数を指定する。繰り返し途中に「Ctrl+C」を押すと送信を中断し,それまでの統計情報を表示する。繰り返し途中に「Ctrl+Break」を押すと送信を中断せずに,その時点の統計情報を表示する。なお,このオプションを特に指定しなかった場合,デフォルトでは送信は4回実行される。また,送信し続ける「-t」オプションが指定されている場合は,同時にこのオプションを指定しても無視される。
-l サイズ送出するecho要求メッセージのデータ・フィールドのサイズを指定する。「サイズ」はバイト単位で,0から65500までの数値を使って指定する。
-fIPヘッダー内のDFビットを設定する。これにより,送出されるechoメッセージが中継途中で分割されるフラグメンテーションを禁止する。
-i TTL値送出するecho要求メッセージのTTLの値を1から255までの数値で指定する。TTLとは「time to live」の略で,経由させるルーターの最大数を設定できる。IPヘッダーを見ながらルーティング処理をするたびに一つずつ減らしていき,ゼロになった時点で破棄される。このオプションを特に指定しなかった場合は,TTLの値としては128を設定してecho要求メッセージを送信する。
-v TOS値送出されるecho要求メッセージのTOSフィールドの値を0から255までの数値で指定する。TOSとは「type of service」の略で,通常はIPパケットの優先度を指定するために使う。このオプションを特に指定しなかった場合は,TOSフィールドの値は0としてecho要求メッセージを送信する。
-r ホップ数echo要求メッセージおよび返信されてくるecho応答メッセージの通信経路として記録する数を,1から9までの数値で指定する。通信経路の情報はIPヘッダーのRecord Routeフィールドに記録し,結果として画面に表示する。
-s ホップ数echo要求メッセージおよび返信されてくるecho応答メッセージの受信時刻を記録するホップの数を,1から4までの数値で指定する。受信時刻の情報はIPヘッダーのInternet Timestampフィールドに記録し,結果として画面に表示する。
-j ホストリストecho要求メッセージの転送で経由するホストを指定する。スペースで区切って最大九つまで指定したホストリストを,IPヘッダー内のLoose Source Routeオプションとして指定する。リストとして指定したホストの間に別のネットワークが存在してもよい。
-k ホスト・リストecho要求メッセージの転送で経由するホストを指定する。スペースで区切った形で最大九つまで指定したホストリストを,IPヘッダー内のStrict Source Routeオプションとして指定する。リストとして指定したホストがその順に直接接続していることが必要となる。途中に直接接続していない部分があるとエラーになる。
-w タイムアウトecho要求メッセージの送出後に,echo応答メッセージの受信を待機する時間をミリ秒単位で指定する。このオプションを特に指定しなかった場合は,4000ミリ秒(4秒)という設定になる。
通信相手echo要求メッセージの送出して,通信状況を調べる相手を名前解決可能な名前もしくはIPアドレスで指定する。

 使用例1:pingを継続的に送信する(クリックで詳細表示) 
ping -t 通信相手

 使用例2:相手との通信に使う回線品質と最大MTUの確認を確認する(クリックで詳細表示)  
ping -f -l 64 通信相手

 使用例3:相手までの到達経路を確認する(クリックで詳細表示)  
ping -r 9 通信相手