Q:弊社のシステムは,10年以上にわたってメインフレームが担ってきました。最近では,新たに必要になった機能がうまく載せられないとか,あるいは載せても処理速度が極端に下がるといった不都合が多発するようになってきました。全面的なリプレースを考えているのですが,どのようなシステムがよいのでしょうか?


A:他社製システムとの連携や将来の発展が容易なオープン系システムを積極的に検討すべきでしょう。いきなりそれができなくとも,オープン系テクノロジーを採用したメインフレームという選択肢もあります。


 いわゆるメインフレームやオフコンのようなプロプライエタリ(独自仕様)のシステムは,事業規模や処理内容に合わせてハードを組み合わせ,OSを含む各種業務用ソフトもベンダーが自製するのが一般的です。そのため(もちろん例外はあるとしても)比較的使いやすいシステムになる,堅牢で信頼性が高くなるなどのメリットがあります。しかしその一方で,システムの完成までに時間やコストがかかったり,あるいは将来的にシステムを発展させようとしたときに,独自仕様のシステムを抱えているために容易には改変できないなどのデメリットがあります。そこで最近では「オープン系」と呼ばれるシステムが主流になりつつあります。

 オープン系システムとは,簡単にいえば複数の異なるメーカーのハード,ソフトを組み合わせて構築されたシステムのことです。またOSや業務用ソフトもメインフレームとは正反対に,既製品をそのまま,あるいは若干のカスタマイズをして流用する場合がほとんどです。つまり,それだけ開発期間やコストを圧縮できるというメリットがあります。

 仮に,自社にとって本当に必要な機能がメインフレームでなければ実現しないというのならば,当然メインフレームを選択すべきでしょう。しかしそうでないならば,ここはぜひ,オープン系の採用を積極的に検討してみてください。メインフレームを選択して,しばらくの間は快適な環境を手に入れたとしても,「トレンドはオープン系に傾いている」以上,近い将来には問題が発生する可能性があります。それは「必要な機能が容易に追加できない」「できたとしてもコストが割高になる」「メンテナンスに多大な手間とコストがかかる」といったようなことです。また,数年後,ベンダーのメインフレーム専門家の層が,薄くなっている可能性もあります。