米Microsoftが2月に正式発表した「Windows OneCare Live」は,購読型のセキュリティ・ソフトウエア・サービスである(関連ニュース)。同サービスは2006年6月に米国で開始され,2007年には全世界向けに提供される。Windows OneCare Liveの価格やサービス内容,将来計画について説明しよう。
MicrosoftによればOneCare Liveは「パソコンの健康状態を保つサービス」であり,パソコンのバックグラウンドで常時稼働するという。OneCare Liveは,パソコンの保護とメンテナンスを24時間体制で実行する。ウイルス・スキャナや双方向のファイアウオール(ネットワークから受信されるパケットだけでなく,パソコンから送信されるパケットも制御するファイアウオール)を内蔵するほか,システムのチューンナップ機能やデータ・バックアップ機能なども搭載する。Microsoftは2006年後半に,OneCare Liveとスパイウエア・対策ソフト「Windows Defender」を統合する予定でもある。
Microsoftのグループ・プロダクト・マネージャであるDennis Bonsallは,同社がOneCare Liveのベータ版を2月にリリースした後に,4月に再度更新すると語っている。消費者に提供されるのは2006年6月だ。OneCare Liveの年間利用料金は49.95ドルで,1ライセンスで同時に3台までのパソコンを保護できる。ただしBonsall氏は,当初提供されるバージョンでは,4台以上のパソコンに対してソフトウエアをインストールできると指摘している。リリース当初の時点では,Microsoftによるライセンス認証システムがリリースされないためだ。
Bonsall氏は「われわれはOneCare Liveをサブスクリプション(購読制)としてのみ提供する。これは,顧客からのフィードバックを反映した判断だ。ユーザーは,毎年セキュリティ・ソフトウエアをアップグレードしなければならないことに混乱しているからだ」と語っている。OneCare Liveの購読者に対しては,電話や電子メール,オンライン・チャットを使ったサポートが無償で提供される。Microsoftはこれら3つのサポート手法のすべてをベータ期間中にテストしており,いずれもテスターに受け入れられたと判断している。なおOneCare Liveのベータ・テスターは,4月までに購読の申し込みをすれば,製品版のOneCare Liveを最初の1年間は19.95ドルで利用できるという。それ以降に申し込んだ場合,価格は標準的な49.95ドルになってしまう。Bonsall氏は「これは感謝の意を表したものだ。多数のテスターが,価値のあるフィードバックを提供してくれた。それに対するきちんとしたお礼のつもりだ」と語っている。
OneCare Liveに足りない機能が1つあるとすれば,クライアント・サイドで稼働するスパム・メール対策であろう。Microsoftによれば,ほとんどのユーザーは自分たちが加入している電子メール・プロバイダやISPが提供するスパム・メール対策機能に満足しており,OneCare Liveに同機能を搭載するのは冗長になるのだという。Bonsall氏はこのほか,将来的にはOneCare Liveの構成はより柔軟かつカスタマイズしやすいものになり,Windows Defender(OneCare Liveの最初のバージョンはWindows Defenderの完成前に出荷される)との連携も可能になると語っている。ユーザーはOneVare LiveのアップデートをWebサイトからダウンロードできるので,新しい機能を追加するのにバージョンアップを待たなくてよいという。
OneCare Liveの製品版は,Windows XP Service Pack 2でしか利用できない。Windows Vistaがリリースされれば,OneCare LiveもWindows Vistaに対応するだろう。OneCare LiveはWedでのダウンロード販売のほか,小売店などでも販売される。当初は英語版が米国市場で販売されるだけだが,2006年末には,英語版以外のバージョンのテストも始まる予定だ。
■変更履歴 初出時,「Windows OneCare Live」の表記が一部「Windows OneCare Lice」となっていましたが,訂正しました。[2006/06/29 12:10] |