ビジネスにおいてネット上で特に検索される話題というと,やはりIT系の情報が必然的に多くなる。実はGoogleには,そういった“検索されがちな”テーマに絞って検索することができる「Special Google Searches」という機能がある。これは「アメリカ政府」「Linux」「BSD」「アップル(マッキントッシュ)」「マイクロソフト」という5つのテーマに関連するサイトを公式サイトを中心に検索できるようにしており、かなり精度の高い情報を検索することができるのだ。

 例えば自社の販売システムにLinuxを使ったソリューションを入れたいと思ったとき、通常は「Linux ソリューション」というキーワードで検索する人が多いだろう。検索結果は364万件と非常に多い数になるが、数が多くなる分,なかなか自分が求めている情報を見つけられないことも多い。そんなときは“Linux専用の”Googleにアクセスして、「ソリューション」というキーワードで検索してみよう。すると、検索結果は約25万件まで減るが、「Linux ソリューション」とは違った検索結果がもたらされるのだ。さらに具体的な目的である場合、「データマイニング」といったキーワードを追加して検索してみよう。すると、Googleによって厳選された精度の高い情報が見つかる。


「iPod」に対するマイクロソフトの戦略も“狙い打ち”で検索

 また、アップルコンピュータの携帯デジタル音楽プレーヤー「iPod」がマイクロソフト陣営ではどのように扱われているのか、マイクロソフトがiPodに対抗してどのような戦略を取っているのかということを調べたい場合は「Google Microsoft Search」にアクセスして、「iPod」で検索すればOK。普通に「Microsoft iPod」で検索するよりも、iPodを中心とした、マイクロソフトとアップルコンピュータの戦略を分析するような記事が多く抽出される。

 “アメリカ政府専用”Googleも,米国のビジネス動向を調べる際に役に立つことが多い。例えば「ナノテクノロジー」 で検索すれば、日本語で読める米国政府のナノテクノロジー関連の情報だけが検索される。自社と関わりの深いビジネス分野に関して米国がどのような動向になっているのか調べたいときに便利だ。もちろん、日本語ではなく英単語を入力すれば英語の情報を検索することもできる。

通常のGoogle検索では引っかからない情報を探し出せる

 とにかく、これらの専門検索ではキーワードの組み合わせ次第で通常の検索ではまったく引っかからないページが見つかることが多い。5つの分野とまったく関わりがない業種でも、専門検索で自社に関係の深いキーワードを検索すれば思いも寄らぬビジネスのヒントを見つけられることもあるかもしれない。現在はまだ5つの分野の専門検索しかできないが、今後はほかの専門検索も増えていくことかと思われる。Googleのこうした専門検索機能は今後も注目だ。

■津田 大介 (つだ だいすけ)

【略歴】
1973年東京都生まれ。週刊誌,インターネット誌,ビジネス誌,音楽誌などを中心に幅広いジャンルで執筆。ここ数年はネットカルチャーやネットワーク時代の音楽の在り方について多くの原稿を寄稿。主な著書は,目的別にGoogleの活用法を解説した『ググる』,ネット通販サイト「Amazon」の活用法を解説した『アマゾる』(両書とも毎日コミュニケーションズ刊)など。

【関連URL】
音楽配信を中心としたデジタルコンテンツ流通,著作権問題などの関連ニュースを集めた情報サイト「音楽配信メモ」(http://xtc.bz/)も運営している。