今回は,Zend社が主宰するPHPコラボレーションプロジェクトの主要プロジェクトZend FrameworkとPHP IDEのプレビュー版に関するニュースについて紹介する。

PHP リリース関連情報

 前回のPHPウォッチ掲載以降の約1カ月間に行われたPHPのリリース関連情報について紹介する。

PHP 5にバグ修正

 1月12日にPHP 5.1.2がリリースされた後,バグ修正および若干の機能追加が行われており,3月9日にPHP 5.1.3 RC1が公開された。PHP 5.1.3RC1の後,3月中に新たなリリース候補版としてPHP 5.1.3RC2の公開が予定されており,PHP 5.1.3の正式リリースは4月となる予定である。PHP 5.1.3RC1の時点でPHP 5.1.2以降に約60件のバグが修正されている。また,PCREが6.6に更新されるなど,数点の改良も行われている。

 PHP 5.1.3RC1はPHPの公式サイトから入手可能である。

 リリース候補版の段階で広範なテストが行われ,不具合に関するフィードバックが行われることで,正式リリース版の品質を高めることができる。PHP 5.1系を使用するユーザーの方はぜひともテストしていただき,QAチームにレポートを送付していただきたい。

PHP 6でgoto文導入へ

 次期メジャーバージョンにあたるPHP6の開発が引き続き活発に行われている。現時点では,PHP6の骨格を決めている段階にあたり,α版以前の段階にあるがCVSでソースコードが公開されているため,Unicode対応などの新機能を試用することが可能である。

 ここでは,前回のPHPウォッチ以降で行われた主な変更点を紹介する。

 まず,下位互換性のために残されていた古い機能や一部の推奨されない機能が削除された。現時点までに削除されたのは,以下の項目である。

・セーフモード(safe_mode)
・PHP4との互換モード(zend.ze1_compatibility_mode)
・allow_call_time_pass_reference
・register_long_arrays
・register_globals
・magic_quotes_gpc,magic_quotes_runtime,magic_quote_sybase
・FreeType 1.x およびGD 1.xのサポート

 また,従来から賛否両論のあったgoto構文がついに導入される見込みとなっている。

PHP 4はセキュリティ強化

 1月13日にPHP 4.4.2が公開されて以降,8件のバグ修正が行われている。また,セキュリティ強化のためのチェック機能が一部の関数・機能に追加されている。PCREのバージョン更新を除けば新たな機能追加は行われていない。

 次に,3月3日にプレビュー版が公開されたPHP用アプリケーションフレームワークZend Frameworkについて紹介する。