• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • PR

  • PR

  • PR

  • PR

  • PR

連載 Web 2.0時代のソフトウエア開発手法

第3回 コンセプト・アウト/デマンド・インでユーザーの要望を取り込む

2006/03/20 ITpro
図2 コンセプト・アウトとデマンド・インによる製品開発の流れ<br>企業は市場(ユーザー)に対してコンセプトを提示して要求(デマンド)を受け取り,それを基に製品を開発する。
図2 コンセプト・アウトとデマンド・インによる製品開発の流れ<br>企業は市場(ユーザー)に対してコンセプトを提示して要求(デマンド)を受け取り,それを基に製品を開発する。
[画像のクリックで拡大表示]

 では具体的に,ユーザー側にイノベーションを開放し(=民主化),さらにメーカーがビジネスをする(=利益を得る)ための,開発モデルとはどのようなものだろうか? 一つの方法は,メーカーが製品のコンセプトをユーザーに提示し,プラットフォーム(開発基盤)を無償で提供することだ。メーカーは,まずコンセプトを発表する。そして,そのコンセプトを実現するためのプラットフォーム(開発ツール群や開発基盤)をユーザーに開放する。こうすることで,先端ユーザー(リード・ユーザー)が,自らが持つニーズ・ナレッジを与えられたプラットフォームの上に開花させることができる(図2[拡大表示])。

 図2では,以下のような流れで製品開発が進む。

(1)メーカーが技術研究をして基になるコンセプトやプラットフォームを作る
(2)メーカーがユーザー(市場)にコンセプトとプラットフォームを提供する
(3)ユーザーがプラットフォーム上で「何ができるか」を研究する
(4)研究の結果としてユーザーが製品に対する要求を示す
(5)受け取った要求を基にメーカーが製品開発を行う
(6)メーカーが製品を提供する

 ここで,(1)~(4)の矢印は,何度もループする(繰り返す)可能性があることに注目してほしい。そして,そのループが起こるのは,「コミュニティ」という場だ。これは,市場と企業,もしくはユーザーと開発者の間で製品をメディア(媒介物)とした対話が発生していることを意味している。連載第1回の図1において,プロダクト・アウトでは研究開発が企業側に占有されていたのを思い出してほしい。この研究開発で作られるアイディアの部分を「コンセプト」と「デマンド」(要求)に分割し,コンセプトを企業から提示,デマンドを市場から得ているのがこのモデルだ。

 この手法を,マーケット・イン,プロダクト・アウトと対比して,私は「コンセプト・アウト/デマンド・イン」と呼びたい。これは,製品開発を「製品をメディアとする,市場と企業の対話」ととらえる考え方である。こうすることで,スティッキー(sticky:固定的)だったニーズ・ナレッジとシーズ・ナレッジが「出会い」,「対話し」,強いコンセプトと市場性を併せ持つ製品を生み出すことができる。

 では,このコンセプト・アウト/デマンド・インを機能させる企業側,市場側の準備として,何が必要だろうか。キーとなる価値観は3つある。

(1)トランスペアレンシ(Transparency:透明性)
(2)インタラクション(Interaction:対話)
(3)パーティシペーション(Participation:参加)

 (1)のトランスペアレンシは,企業の活動,つまり製品開発の現状,ロードマップ,開発者の人となり,などが外部から透けて見えることを意味する。手打ちそば屋やピザ屋では調理場がガラス張りになっており,実際に作っている人が見えることが多い。また,最近のスーパーマーケットでは,生産者情報が記載された野菜を販売しており,生産者の写真などを張ってあるのを見かけることもある。これらは,いずれもトランスペアレンシの例である。

 (2)のインタラクションは,先にも述べたように,企業とユーザーが製品をメディアとして互いにコミュニケーションを図ることだ。ここで情報の双方向性が重要となる。また(3)は,ユーザーが積極的に利用研究に参加することを意味する。例えば米Sun MicrosystemsのJonathan Schwartz社長兼COO(最高執行責任者)は,2005年6月に開催されたJavaOneで「情報の時代から参加の時代へ」というコンセプトを発表している。情報だけではなく,コミュニティへ技術者自ら加担すること。これが今後のコミュニティと企業の形として,ますます顕著になってくるだろう。

 ソフトウエア開発で,このような環境をどうやって作ることができるだろうか。そう,ブログを使うのだ。多くの企業が,マーケティング的な狙いで,あるいは発信の目的で開発者ブログを公開している。例えばアジャイル開発や,UMLをスケッチとして使うことで有名なMartin Fowler氏が在籍する米ThoughtWorksは,各種サイトに散らばっている社員のブログを一個所に集めて発信している。


平鍋健児

株式会社チェンジビジョン代表。オブジェクト指向分析設計とプロジェクトの「見える化」を実践・推進する舞踏派コンサルタント。UMLとマインドマップを融合させたモデリング・ツールJUDEを開発中。

あなたにお薦め

連載新着

連載目次を見る

今のおすすめ記事

ITpro SPECIALPR

What’s New!

経営

アプリケーション/DB/ミドルウエア

クラウド

運用管理

設計/開発

サーバー/ストレージ

クライアント/OA機器

ネットワーク/通信サービス

セキュリティ

もっと見る