ここまでで見てきたように,netstatコマンドはTCP/IP通信の現在の状態や待ち受けポート番号を調べるときに使うことが多い。しかし,オプションを指定することで,ほかの情報も調べられる(表2[拡大表示])。
例えば,-eオプション。これはイーサネット・レベルの統計情報を表示する(図3[拡大表示])。パソコンが起動してから実際にやりとりしたデータ量やMACフレームの数などがわかる。また,エラーを起こしたフレームの数もわかる(「Errors」と書かれた行)。普通のLAN環境ならエラー・フレームを送受信した数は,0と表示される。ここが数十,あるいは数百となっていたら,LANが混雑しすぎているか,LANケーブルやLANカードの不具合を疑った方がよい。
次は,-sオプション。これは,IPレベルの詳細な統計情報を表示する(図4[拡大表示])。表示されるのは,IP,ICMP*,TCP,UDPといった基本的な四つのプロトコルそれぞれに関する情報だ。
IPなら,やりとりしたIPパケット数のほか,受信パケットのヘッダーにエラーがあったかどうか,破棄したIPパケットはいくつだったか,分割されて届いたため受信時に再組み立てが必要だったIPパケットはいくつあったか,など17項目が表示される。
こうした統計情報は,パーソナル・ファイアウォール・ソフトなどを使うと,きれいなグラフとして表示してくれたり,ログとして保存できる。しかし,ここまでの機能が必要ない場合も多く,そうしたときはnetstatコマンドで十分である。
また-rオプションは,パソコンが持っている経路情報(ルーティング・テーブル)を表示する。これは「route print」というネットワーク・コマンドを使ったときと,まったく同じ表示になる。