BREW対応の携帯電話機上でAmazonのWebサービスを利用するサンプル・アプリケーションを開発した。
BREW対応の携帯電話機上でAmazonのWebサービスを利用するサンプル・アプリケーションを開発した。
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 ソフィア・クレイドルは,Webサービス利用で必要となるXMLパーサ(XML処理用のソフトウエア)のBREWプラットフォーム版を開発した(発表資料)。いわゆる「Web2.0」的なアプリケーションを携帯電話機上で構築できるようになる。サンプルとして,携帯電話機からオンライン書店「Amazon」が提供するWebサービスAPIを利用する検索アプリケーションを開発した。


 同社が開発したXMLパーサ「pself」は,XML文書構造を定義するDTDとXML Schemaをサポートし,アクセス方式としてDOMとSAXの両方に対応する。同社が提供するBREW向け開発環境「SophiaFramework」(Tech-On! 関連記事)を用いてC++により実装した。携帯電話機上でDTDやXML Schemaを実装したXMLパーサは「今回が初めて」としている。

Web2.0の要素技術を携帯電話機に載せる


 いわゆるWeb2.0の要素技術の一つが,XMLに基づくWebサービスである。Webサービスは,XML形式の情報を交換することでプログラム間を連携させる仕組み。従来のプログラム間通信(socketなど)に比べてはるかにプログラミングの工数が少なく,技術的な難易度が低い。この生産性の高さと敷居の低さが,Web2.0を特徴付ける要素技術となっている。


 著名なインターネット上のサービスであるAmazon,Google,Yahoo!は,それぞれのサービスのWebサービスAPIをインターネット上に無償で公開し,ユーザーが個々に作成したアプリケーションから利用可能としている。WebサービスAPIを駆使することで,元となるサービスに付加価値を付けた新たなアプリケーションをきわめて短期間で開発できるようになる(これを「マッシュアップ」と呼ぶ)。


 XMLパーサが携帯電話機に搭載されたことで,Amazon,Google,Yahoo! などのサービスで提供するWebサービスAPIを携帯電話機から直接利用するアプリケーションが開発可能となる。

ソースコードは公開へ


 開発したサンプル・アプリケーションは,次のような動作をする。まず携帯電話機のカメラ機能を使い書籍のバーコードを読み取る。読み取ったバーコードの情報をISBN番号に変換し,Amazonが提供するWebサービスAPIを使ってその書籍に関する情報を検索する。取得した検索結果は,携帯電話機の画面上に表示する。開発期間は約2週間だったという。


 今回開発したXMLパーサpselfは,同社のSophiaFrameworkのコンポーネントとして2006年4月からベータ版を公開する予定である。サンプル・アプリケーションのソースコードも公開する。