「もうすぐ友人の結婚式で忙しいんですよ……」。

 ある若手記者が言うので聞いてみると,友人の結婚披露宴と2次会で,新郎新婦の生い立ちから出会いまでを紹介するムービーをパソコンで作っているのだという。彼が使っているツールは「LiFE with Photocinema2」というソフト。デジカメ写真や古い写真をスキャンして取り込み,エフェクトを付けたり音楽を入れたり,メッセージのテキストを入れるだけで,パソコンで再生するムービーやDVDも作成できる。

 これを使って,その記者は新郎新婦を“DJ風”に紹介するのだという。もちろん出来上がったDVDは,新郎新婦とその両親にプレゼントする。

 「う~ん,最近の結婚式は“デジタル”だなぁ」なんて感心していたら,それだけではないらしい。何でも,デジカメで撮った結婚式の写真をすぐにブログにアップして,式に参加できない遠隔地の友人に見てもらったり,コメントを書いてもらう。さらに2次会では,WebカメラとWindows Messengerなどのメッセージングソフトを使って,遠隔地の友人にリアルタイムでお祝いの動画メッセージを送ってもらうのだという。

 記者とそんなやり取りをしていたら,今度は,はがき作成ソフト「筆まめ」を販売しているクレオの広報担当者から「筆まめbridalというソフトを出したので見てほしい」と電話があった。このソフトを使えば,披露宴の招待状から座席表,料理のメニュー,席札までこれ一つで作って,家庭用プリンタでキレイに印刷できる。座席表などは結婚式場に頼むと一つで何万円もかかってしまうので,かなりの節約になるそうだが,こういったアイテム自体に新郎新婦のオリジナリティを出せる点がユーザーに受けているようだ。

 昔のような“お仕着せの”スタイルの結婚式ではなく,手作り感のある結婚式を指向する若いカップルが増えている。ITが自然と生活のツールとして使われるようになったいま,これまでITとはあまり縁のなかったさまざまなイベントで,ITツールを活用した“手作り感”のある演出が自然に行われていくことだろう。