公衆無線LANサービスにログインすると,パソコンにはインターネットに接続するときに使うIPアドレスが割り当てられる。このとき,グローバルIPアドレス*を割り当てるサービスとプライベートIPアドレス*を割り当てるサービスがある。

 グローバルIPアドレスは世界に一つしかないIPアドレスで,インターネット側からパソコンを特定できる。そのため,チャットやテレビ会議ソフトなど,双方向で通信するアプリケーションが問題なく使える。これらのアプリケーションにはプライベートIPアドレスでは使えないものもあるが,グローバルIPアドレスなら制限はない。

 ただ,グローバルIPアドレスを割り振ると,インターネット側からパソコンを特定できる分,攻撃を受けやすいという問題もある(詳細は第二部を参照)。

 公衆無線LANサービスでグローバルIPアドレスを割り振るのは,HOT SPOTやlivedoor wirelessだ。これらのサービスでは,各社のセンター内に設置したDHCPサーバー*がアクセス・ポイント配下のパソコンに動的にグローバルIPアドレスを割り振る。

 一方,プライベートIPアドレスを割り振るのがBBモバイルポイント*やFREESPOTだ。アクセス・ポイントはDHCP機能でパソコンにプライベートIPアドレスを割り振り,これをNAT*でグローバルIPアドレスに変換してインターネットにつなぐ。