図1-3●プロバイダの認証サーバーと連携することで,プロバイダのユーザーIDとパスワードでも使えるようにしている<br> 公衆無線LANサービスは,事業者の定額制サービスを契約する以外に,プロバイダのユーザーIDとパスワードを使う従量制の使い方もある。従量制の場合,ユーザーがプロバイダのIDとパスワードを入力すると,公衆無線LANサービス事業者は提携プロバイダの認証サーバーにこれを転送し,認証する。図はNTTコミュニケーションズの「HOTSPOT」のシステム。緑が定額制の場合の認証ルートで,黄が従量制の場合の認証ルート。
図1-3●プロバイダの認証サーバーと連携することで,プロバイダのユーザーIDとパスワードでも使えるようにしている<br> 公衆無線LANサービスは,事業者の定額制サービスを契約する以外に,プロバイダのユーザーIDとパスワードを使う従量制の使い方もある。従量制の場合,ユーザーがプロバイダのIDとパスワードを入力すると,公衆無線LANサービス事業者は提携プロバイダの認証サーバーにこれを転送し,認証する。図はNTTコミュニケーションズの「HOTSPOT」のシステム。緑が定額制の場合の認証ルートで,黄が従量制の場合の認証ルート。
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 エリア内の無線LANにパソコンをつないだら,次は公衆無線LANサービスにログインする。この際の認証のしくみはユーザーがサービスを利用する形態によって異なる。

 公衆無線LANサービスは基本的に,事業者が提供する定額制サービスに登録して利用する。だが,必要なときだけ使いたいというユーザーには定額制は敷居が高い。そこで,HOTSPOTやBBモバイルポイントは,定額制サービスに登録しなくても,すでに契約しているプロバイダのユーザーIDとパスワードでログインし,分単位の従量制で利用できるしくみを用意している。

 HOTSPOTを例にしよう。定額制の場合,ユーザーは公衆無線LANサービス事業者が認証する(図1-3の緑線[拡大表示])。

 無線LANに接続後,ログイン画面にユーザーIDとパスワードを入力,送信すると,この情報はNTTコミュニケーションズのセンターにある認証サーバーに届く。認証サーバーはこれを認証し,結果をアクセス・コントロール・サーバーに送信する。アクセス・コントロール・サーバーは,ユーザーの接続を制御するサーバーだ。このサーバーが認証結果に基づいてユーザーの接続を許可する。

 これに対して従量制ではユーザーが契約しているプロバイダが認証処理を受け持つ。この場合,ユーザーがログイン画面で入力するのはプロバイダのユーザーIDとパスワードだ。ユーザーIDの後ろには「@+プロバイダのドメイン名」を付ける。この情報がNTTコミュニケーションズの認証サーバーに届くと,認証サーバーは@以下のドメイン名からユーザーが契約しているプロバイダを判断し,ユーザーIDとパスワードをそのプロバイダに転送する(図1-3の黄色線)。そして,プロバイダの認証サーバーが認証し,結果をNTTコミュニケーションズの認証サーバーに返す。あとの流れは定額制の場合と同じだ。