つくばの名物料理屋「RanRan」で注文した「肉豆腐丼トンカツ」。レタスをワカメに変ええました。大きな丼で料理が出ることで有名なお店で,フロッピディスクと比べてもこんなに大きい。
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 Skypeは急激に普及しています。世の中でも,そう言われています。でも,どのくらいの勢いで普及しているのか,なかなかわかりにくいのも事実です。そこで今回は,Skypeの人気ぶりがひと目でわかるグラフをご紹介します。

 Skype社のWebサイトでは,RSSフィードでまとめたダウンロード数を公開しています(RSSフィード)。原稿を書いている時点で,2億6000万回を超える数字になっていました。Skypeは,世界中でこれだけダウンロードされるほどの人気があります。でも累計数だけでは,ダウンロードの勢いが加速しているのか,それとも人気が落ち着いてきたのかといった傾向がわかりません。そこで私は,ダウンロード回数の推移を自動的にグラフにするプログラムを作ってみました。

 プログラムの仕組みはこうです。毎日午前0時にSkype社のサイトにアクセスして,ダウンロード累計数を取得します。前日の数値と比較すれば,1日で増えた分がわかります。ここで分かった累計数と1日の増加数の2つをグラフにプロットしているのです。グラフ作成ツールには,高林哲氏が作られた「mingplot」を利用しました。mingplotは他のグラフツールと違って,サイズを変えてもグラフがきれいという利点があるのでよく使っています。

 その出力グラフがこれです。昨年8月からのグラフで,青がダウンロード累計数,赤が1日の増加数です。数値をうまく取得できていない時期もありますが,9月,10月,12月にぐんとダウンロード数が増えているのがわかります。

 9月はVer1.4のベータ版,12月はVer.2.0のベータ版が公開された影響だと思います。驚いたのは,10月の増加です。この時期に新機能は出ていません。考えられるきっかけは,Skypeのセキュリティホールが明らかになったことです(参照記事)。

 これを見て私は,みんなが本当にSkyepを使っているんだなと思いました。ダウンロードしただけで利用していないなら,新機能が出ても,セキュリティホールが発見されても,ダウンロードし直しませんよね。

 面白くなってきた私は,もっと前のデータもグラフ化したくなりました。ところが,2005年夏以前の毎日のダウンロード数がわかりません。諦めかけたときに友人が,「Web Archiveプロジェクトなら古い情報も残っているよ」と教えてくれました。Skypeが初公開された直後のデータも残っていました。

 ここにあったデータを基に作ったグラフが,これです。データがない時期もありますが,大まかな傾向がわかります。まず,Skypeのダウンロード数は加速度的に増えていることです。初期は1日4万前後ですが,最近では1日50万以上です。これから先も,Skypeがどのように普及していくのかが,とても楽しみです。

 なお,グラフ作成で利用した技術やプログラムなどは,私のサイトに掲載しています。興味がある方は,ぜひご覧ください。


著者紹介
 著者の池嶋 俊氏はSkypeまとめサイト「Skypeやろうぜ」の管理人。プログラマの観点からSkypeを解説し、新しい使い方を提案する。Skypeの技術を解説した『入門 Skypeの仕組み』(日経BP社刊)の著者。また、筑波大学に通う大学生。サークル活動をしたり、学生ベンチャーをしたりドタバタな大学生活を楽しむ。この記事へのコメントはSkypeやろうぜ内のページでも受けつけている。