写真3 グラフィカル・ログインの画面
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写真4 パスワードの入力画面
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写真5 デスクトップ画面の例
Fedora Core 3のデスクトップ画面です。

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図2 テキスト・ログイン時の表示内容
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図3 テキスト・ログイン直後に表示される内容
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Linuxに触ってみよう

 講釈は前回までにして,早速Linuxに触ってみましょう*3。システムを利用するときに真っ先に行う作業であるログインから説明します。先に述べたように,マルチユーザーを対象にしたOSならではの作業です。

システムにログインする

 Linuxをインストールしたパソコンの電源をオンにしてLinuxをブート(起動)すると,ブート時のメッセージが表示された後,ログインを求める画面が表示されます。

 多くのディストリビューションには,2通りのログイン方法が用意されています*4。グラフィカル・ログインとテキスト・ログイン(コンソール・ログインとも呼びます)です。前者はGUI(グラフィカル・ユーザー・インタフェース)ベース,後者はCUI(キャラクタ・ユーザー・インタフェース)ベースの操作になります。

 どちらのログイン方法を利用するかは,ディストリビューションのインストール時などに選択できます。インストール時のデフォルトはグラフィカル・ログインですので,こちらを利用しているユーザーが多いことでしょう。インストール後のログイン方法の切り替え方は後述します。

 ちなみに,著者はテキスト・ログインを利用し,ログイン後にウインドウ・システム(X Window System)を起動しています。インストール時に,X Window Systemの設定を行っていない場合にも,テキスト・ログインになります。

●グラフィカル・ログインの場合

 グラフィカル・ログインでは(写真3[拡大表示])の画面が表示されます。この画面では,主に使用したい言語や,今後の連載で説明するデスクトップ環境などを選択します。また,「Shutdown」を選択してシステムを安全に停止することもできます。

 この画面でログインしたいユーザー名を入力します。rootユーザー,あるいは一般ユーザー名を入力します。

 Linuxをインストール後に初めてパソコンを起動した場合,インストール時に一般ユーザーを登録してあれば,登録済みの一般ユーザー名でログインできます。インストール時に一般ユーザーを登録しなかった場合は「root」と入力して,rootユーザーでログインします(後述するように,一般ユーザーの登録を推奨します)。

 ログインの際,ユーザー名の(英字の)大文字と小文字は別の文字として区別されますから,注意しましょう。入力を間違えた場合には,「Back space(BS)」キーで間違えた文字を削除し,正しい文字を入力し直します。

 Linuxでは一般に,英字の大文字と小文字は異なる文字として認識されます。

 ユーザー名を入力し「Enter」キーを押すと,パスワードの入力画面になります(写真4[拡大表示])。パスワードの入力では,入力文字は表示されず特殊文字「*(アスタリスク)」が代替文字として表示されます(ログイン名と同様,英字の大文字と小文字は区別されます)。正しいユーザー名と正しいパスワードを入力すると,デスクトップ画面(写真5[拡大表示])になります。

●テキスト・ログインの場合

 テキスト・ログインでは図2の文字列が画面に表示されます。ここで,1行目の「Fedora Core release 3(Heidelberg)」はディストリビューションの名前とバージョン,2行目の「Kernel 2.6.9-1.667 on an i686」はカーネルのバージョンと使用しているパソコンのプロセッサのタイプを示しています。この例は,Pentium 4を搭載したパソコンに「Fedora Core 3」をインストールしたときのテキスト・ログインの画面です。

 また,図2[拡大表示]の3行目の「snowbird」はホスト名(コンピュータ名)です。ホスト名を定義していない場合は「localhost」と表示されます。

 ログインしたいユーザー名を入力し,「Enter」キーを押すと,パスワードの入力プロンプトが次のように表示されます。

パスワード入力では,キーを押しても画面には何も表示されません。注意深くパスワードを入力してから,最後に「Enter」キーを押します。

 正しいユーザー名とパスワードを入力すると,図3[拡大表示]のような文字列が表示されます。1行目の表示は,前回のログインしたときの時刻です。ここでは,2月12日(土曜日)の午前11時6分にコンソール「tty1」からログインしたことが分かります。

 2行目はシェルのプロンプトです。シェルについては今後に詳しく解説します。ここではシェルは,キャラクタ・ベースでシステムを操作するためのプログラムであると覚えておいてください。2行目のように表示されている「$」や「#」の後に,コマンドを入力することで,システムを操作できます。「$」や「#」の文字は,コマンド入力を促す意味でプロンプトと呼ばれます。

 ちなみに,rootユーザーでログインしている場合には「#」,一般ユーザーでログインしている場合は「$」のプロンプトが表示されます*5