米IBM Corp.は,2007年に投入予定の次世代マイクロプロセサ「Power6」の概要を明らかにした。最大動作周波数の目標値は4GHz~5GHzと,現行Power5の1.9GHz の2倍以上となる。IBM社は2007年にも同マイクロプロセサを搭載したサーバ機を出荷する予定。

 Power5同様にマルチコア構成となる見込みだが,1チップに集積するコアの数については明言を避けた。ただし,「現在2チップのPower5を使って1パッケージに納めた『クアッド・コア』品を提供している。その流れを踏襲することになる」とし,2個以上のコアを組み合わせることになるとの見通しを示した。

 Power5同様にSOI基板を使い,65nmルールで製造する。パイプラインの段数も現行Power5並みとしており,「パイプラインの段数を同程度に抑えながら動作周波数の向上を図る点は今回の技術課題の一つだった」(IBM社)という。スーパースカラ構成を採る。チップ寸法やトランジスタ数は明らかにしていない。なお関連する内部回路について,米サンフランシスコで開催中の「ISSCC 2006」で発表する予定。

 サーバ機向けマイクロプロセサに関しては米Intel Corp.など競合品も数多い。この点に関してIBM社は「動作周波数などの性能が高いこと。そしてスケジュール通りにチップを出荷すること。この2点が当社のアドバンテージである」とし,競合メーカーへの対抗意識をむき出しにしていた。