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 パリの地下鉄とバスに設置したナビーゴ(日本のスイカ定期券)は音も主役。定期券を近づけると、チローン(いらっしゃいませ)、ビー(定期切れの日が間近です)、ジー(乗車できません)と3種類の音がする。音だけで歓迎、注意、拒否、をデザインするために作曲家(音造り)、社会心理学者(分析)、エンジニア(プログラミング)、コーディネーター(3者の調整)など4名の専門家が働いた。

 音のデザインはドイツ自動車業界が先駆的な仕事をしてきたが、今その成果が問われている。静かな電気自動車の接近をどのように路上の人に気付かせるかが問題だからだ。研究の結果エンジン音をコンピュータで分析し、快適音や警告音などを合成し、電子音ではないアナログな警告音を出すモーター部品を開発している。

 自動改札ナビーゴの音はもちろん、ヨーロッパでは栓をあける音、PETボトルの音、ドアの品質音など、音もデザインの対象だ。日本での音のデザインはどうなっているだろうか。

【お詫び】公開日時設定の誤りにより、デザインとはずがたりの第三十三回の原稿を第九回の 原稿より先に掲載してしまいました。読者の皆様と筆者にお詫び申し上げます。