[画像のクリックで拡大表示]

 デビュー以来初期のマッキントッシュを思わせるデザインだったアイポッドが、Nanoに至った早さに驚く。アイポッドはこれまでのアップル製品と異なる道を歩いた。有名ブランドのアクセサリーは携帯電話のカバーと同じカスタマイズだが、クリスタルミニ(iPod mini)は違う。

 アルミニウム外装に直接スワロフスキーのクリスタル1000個を貼りつけて、量産品が本物のハンドクラフトに変身した。宝石を身につけたい一心でSimple Solution Technologies Inc.に購入したiPodを送り、価格の10倍で輝くクリスタルミニを手にいれたファンも多い。

 ここには3種のコノテーションがある。音楽とアップルファン、ハイテク製品を宝石で飾る経済力、マーク(例えばリボン)を選べば10%が社会貢献、というステータス。iPod miniが辿ったクラフトへの道は、そのデザインが裸だったからだろう。これ以上なにも引けない極限の形態が示す緊張感が、そこにクリスタルを付加させた。裸のデザインから何かが始まる予感がする。