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 「ベリーウォッシャーズ」はかつてコーヒーや紅茶を家庭で楽しむ用具の販売会社だった。新たな市場獲得のために清涼飲料の開発に乗り出したのは1999年。コカコーラのお膝元での勝負。おそらく味では勝ち目がないと判断したにちがいなく、ボトルをそのままフィギュア化する戦略を練ったようだ。アメコミ・ヒーローがキャップになっているのは当然。ボトルを覆うシュリンク材に展開するデザインもストーリの一部。クイズが印刷されていることもある。

 2004年6月投入のヒーローはスパイダーマン(2nd、355ミリリットル)。キャップはタワー。その頂点からぶら下がるスパイダーマンをボトルの窪みを持って振り回して遊ぶことさえできる。アメリカの子供だけではない。フィギュア趣味の大人の心さえ揺り動かす。知的であり、社会的にも地位が高く、しかもなぜか少年の心と趣味から離れられない大人のことをフランスではボボ(BOBO)と呼ぶ。「ベリーウォッシャーズ」のボトルはボボの心をつかんだ。ボトルという商品の脇役が主役になったと彼等は言う。