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 列車の窓から弁当が買えなくなって久しい。高速で走る車輌の窓ガラスがはめ殺しになったからだ。とはいえ、かねてから日本の車輌にガラス窓を割るハンマーが常備されてないのが不思議だった。ヨーロッパの列車では、地下鉄の車輌でさえ真っ赤なハンマーが乗客の目につくドアの横、窓際などに付いているからだ。

 パリーブリュッセル間を結ぶ列車タリス(TARIS)でハンマーの形が新しくなり、ガラスがさらに強化されたことが分かるイラストを見た。1車輌の先端にある窓がラスに、半透明の白で「脱出口」と印刷され、その上にハンマーでどのように窓を割るかが8コマの明解なイラストで描いてある。ハンマーでショックを与え、1枚目と2枚目のガラスにヒビをいれて掻き落とし、3枚目でハンマーについているカッターでガラスを切りなさい、ただしそこにフィルムが付いています、と読み取れる。8コマのイラストは文字より、緊急脱出までの動作を素早く理解させるだろう。日本の新幹線脱線。日本の列車にも優れた「脱出のデザイン」が必要ではないだろうか。