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 ベビーカーを押しながらオルセー美術館を散歩する若いカップルを見てさすが文化国、と感心してからすでに数十年。パリの美術館での子供への配慮は増々充実している。ガリエラは、休館中で小さなファッションの美術館だが充実した展覧会を時々開催する。本年3月の企画が面白かった。

 フランスの18世紀から20世紀までを手短に紹介するコレクション展示の合間をぬって4才から7才までの子供が遊べる空間がついていた。大人の展示品とは直接関係ないが、ファッションクイズが展示面から1メートル奥深い所に仕掛けてある。「この靴と同じ時代に流行した帽子はどーれ」、「ファッションは色や形だけではないんだ。感触も大切。触ってみよう」など、子供2人が座ってクイズに答える。見学通路からわずか離れているだけで大人の鑑賞をさまたげず子供も隠れ家でファッション遊び。遊びは単純だから大人の見学速度とほどよくあう。

 託児所のように子供を集めてアート遊びをするのもいいが、親子が平行して同じテーマを共有するアイディアも優れている。