Linuxコマンド逆引き大全
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 ワイルド・カードとは

 複数のファイルを指定する際に重宝するのがワイルド・カードである。ワイルド・カードで指定した場所は,「任意の文字」として扱われる。ワイルド・カードとしては,以下の表に示すものが用意されている。


記号 意味
? 任意の1文字。ただし,ドット・ファイルのドット"."は除く
* 0文字以上の文字列。ただし,ドット・ファイルのドット"."は除く
[ ] [ ]内の任意の1文字。ハイフン"-"により文字範囲を指定できる
{ } { }内の任意の文字列。文字列はカンマ","により複数列挙できる

 ドット・ファイル(隠しファイル)は,通常は隠されているので,その存在を意識する必要はほとんどない。しかし,ドット・ファイルは設定ファイルなどの重要なファイルであることが多い。そのため,ワイルド・カードを用いて不用意に消してしまうことのないよう,"?"および"*"ではドット・ファイルの最初のドット"."が表せないようになっている。

 [ ]は,指定した文字のうち任意の1文字を表す。数字やアルファベットを表す場合は,以下の表のようにハイフンで範囲を指定できる。


記号 意味
[0-9] 数字
[a-z] 小文字アルファベット
[A-Z] 大文字アルファベット
[0-9a-zA-Z] 数字,アルファベット

 ワイルド・カードの主な使用法を示す。


カレント・ディレクトリ内のすべてのファイルを消す
(ドット・ファイルは残す)
$ rm *

ファイル名が5文字のファイルをホーム・ディレクトリに移動する
(ドット・ファイルは対象外)
$ mv ????? ~/

ファイル名の最初がアルファベットのもののファイル情報を一覧する
$ ls -l [a-zA-Z]*

拡張子がrpm,gz,devのファイルをsrcディレクトリにコピーする
$ cp *.{rpm,gz,dev} src/