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モーラネット 営業企画部 マネージャー 新井 麻奈 |
Web会議は、パソコンとヘッドセット・マイクを用意すれば、ソフトウエアをインストールしたりサービスを利用したりするだけで利用できる、手軽なコミュニケーション・ツールとなっている。つまり、一人1台のパソコンを用意して参加するのが一般的と考えていた。ところが、「会議室にパソコンを設置して、複数のユーザーが会議に参加する」という想定外の使い方をする企業が登場。エコーと闘うことになった。
昨年の夏、モーラネットのサポート窓口に電話が入った。開口一番、「ひどいじゃないか、雑音がうるさくて会議にならない!」「そうおっしゃいましても・・・、弊社はWeb会議のサービス提供者です。ご利用いただく周辺機器につきましては、機器のメーカーにご確認ください」。
ありがちな対応である。大切な会議で大失敗してしまったそのユーザーの怒りは収まらない。「出張しなくても会議ができると言ったじゃないか!!」と激怒していた。
うるさくて会議にならないほど、雑音が発生するとはどういうことだろうか? ちょっと思い当たらない。これがきっかけで、モーラネットがハウリング対策に注力することになった。
手軽になったWeb会議
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ブロードバンド回線が安くなり、いわゆるTV会議システムといった専用装置の代わりにパソコンが利用できる。このような手軽さによって、Web会議が注目されており、ユーザーの手ごたえを感じ始めていた。
想定外の使い方に驚き
これからというとき、原因不明の雑音でクレームとは・・・。そのユーザーから、利用方法や使用している機器などを詳しく聞いてみると、話がかみ合っていないことがわかった。モーラネットが当初、想定していたのと異なる形態で利用していたからだ。
平置きタイプのマイクとスピーカを机の上に配置、これらをパソコンに接続して、複数ユーザーで会議に参加しようとしていた(図1)。「高価なTV会議システムでなくても、みんなで会議に参加できると思った」という。
Web会議は、ヘッドセット・マイクとUSB接続のカメラを接続したパソコンを一人ずつ用意して会議に参加するものと思い込んでいた。平置きタイプのマイク/スピーカを使って複数ユーザーが参加というのは、まさに想定外であった。