設定情報をうまく取得できないと・・・

 DHCPサーバーから,うまくアドレス情報を取得できなかったとき,社内サーバーへアクセスできないといった症状になる。

 こんなときに,ipconfigコマンドを実行すると,IPアドレスの項目には「169.254.xx.xx」や「0.0.0.0」と表示される。前者は,Windows2000/XPが独自にIPアドレスを割り振るAutoIPという機能が働いた結果である。Windows2000/XPなどにはDHCPサーバーがないネットワークでもネットワーク設定を自動化するためにAutoIPという機能が備わっている。そして,DHCPサーバーから設定情報が割り当てられないと自動的に動き出す。この結果,169.254.xx.xxという特別なIPアドレスがパソコンに割り当てられる。

 一方,後者の「0.0.0.0」というIPアドレスは,パソコンにIPアドレスが割り当てられていないことを意味する。こちらも,DHCPサーバーから設定情報が取得できなかったときに出る。

 いずれにせよ,本来DHCPサーバーからIPアドレスなどを取得すべきなのに,ipconfigコマンドで確認すると169.254.xx.xxや0.0.0.0のようなIPアドレスが割り当てられていたら,何らかの障害でDHCPサーバーへのアクセスに失敗したと考えるべきだ。

 よくある障害原因としては,LANカードやケーブルの不具合である。また,DHCPサーバーがダウンしていることもある。

 こうした不具合を見つけるには,正常時にどんな値が割り当てられているかを覚えておくとよいだろう。例えば,パソコン起動時にipconfigコマンドを実行し,実行結果をファイルに保存しておく手がある。それには,メモ帳などのエディタを開き,

  date /t >> c:¥logfile.txt
  time /t >> c:¥logfile.txt
  ipconfig /all >> c:¥logfile.txt
  exit
のように記述したら,netconfig.batといったファイル名で保存する。これは,1~2行目で日時をc:¥logfile.txtに追記し,3行目で「ipconfig /all」と実行した結果をファイルに書き込むバッチである。

 こうして作成したバッチ・ファイルはスタートアップ・フォルダに移動させておくとよいだろう。そうすれば,ログインするたびに,日時情報とともにipconfigの実行結果がlogfile.txtに追記され,ログとして残る。

 そして不具合があったとき,このログ・ファイルの内容と,ipconfigコマンドの結果を見比べれば,いつもとどこが違っているかがすぐにわかる。