LANスイッチをポケットやかばんに入れて日常的に持ち歩いている。もちろんこれにはちゃんと理由がある。

 かつて取材のために地方に出張したとき,現地で相手のパソコンと自分のノートパソコンをつないで動作を確認する必要が生じた。

 しかし,現場に空いていて使えるLANポートはない。そのときは,どういう理由かたまたま勘が働いて,LANスイッチを持参していたため事なきを得た。そんな経験が一度ならずあったため,いつの間にかLANスイッチを持ち歩く癖がついてしまったのだ。

 ただ,ほとんど使わないLANスイッチのために貴重なカバンのスペースを割きたくない。とにかく小さいLANスイッチはないものか---。ずっと探していたところ,ネットワーク機器売り場で見つけたのが今回紹介する「FX-05Mini」である。

ACアダプタなしで動く

 このLANスイッチ,これ以上の小型化はもはやほとんど不可能だろうと言えるほど小さい。ただし,特徴は小さいことだけじゃない。付属のUSBケーブルを使ってパソコンなどから電力供給を受けられるのだ。つまり,あの邪魔なACアダプタを持ち歩かなくて済むのである。

 そもそもLANスイッチなんて持ち歩かないよという人にもオススメしたい理由はある。ネットワークの実験やトラブルシュート時などにとても便利なのだ。本体が小さく軽いので,ちょっとしたすき間があれば設置できるし,ノート・パソコンをつないだままLANスイッチごと移動するような芸当も簡単にこなせる。事実,2006年1月号の特集記事を作るにあたって,いろいろ実験したが,このスイッチはとても役に立った。

 普通に使うときも,パソコンと壁や周辺機器のわずかなすき間に設置できるので,USB経由の受電機能と合わせて使えばゴチャゴチャしがちなLAN接続まわりをスッキリとまとめられる。

 実売価格は2000円台半ばで10M/100MのLANスイッチとしては平均的だろう。超小型でACアダプタ不要,値段もそこそこと3拍子揃ったこのスイッチ,ネットワークの実験をよくする人ならきっと気に入るはずだ。


information
プラネックスコミュニケーションズ
FX-05Mini
カテゴリ:LANスイッチ
購入先 :都内の家電量販店
購入価格:2604円
備考 :もう少しだけサイズが大きな8ポート版もある。なお,USBケーブル経由で受電できる点に注目するなら,同種の製品はほかにもいくつかのベンダーから販売されている。



著者紹介
著者の斉藤栄太郎は日経NETWORKの記者。暇を見つけては秋葉原やネット・オークションでネットワーク機器を漁り,便利グッズやレアものツールを見つけては悦に浸っている。ルーター,スイッチなどはもちろん,トークンリング機器,L3スイッチ,企業向けIP電話機までも自宅の一室に山高く積み上げている。一女の父となり,日増しに強くなる奥さんの冷たい視線にさらされながらも,めげずに日々獲物を探している。