Webプロトコル詳解
HTTP/1.1、Webキャッシング、
トラフィック特性分析

Balachander Krishnamurthy,
Jennifer Rexford 著
稲見 俊弘 訳
ピアソン・エデュケーション 発行
2002年4月
616ページ
6090円(税込)
HTML & CSS
マスターブック

森 理浩 著
毎日コミュニケーションズ 発行
2004年7月
223ページ
1995円(税込)
JavaScript 第3版
David Flanagan 著
安藤 進,垰井 正雄 訳
村上 列 監訳
オライリー・ジャパン 発行
2000年12月
443ページ+CD-ROM
4410円(税込)
HTML & XHTML 第5版
Chuck Musciano,Bill Kennedy 著
原 隆文 訳
オライリー・ジャパン 発行
2003年5月
649ページ
6090円(税込)
携帯端末用Web制作バイブル
i-mode/EZweb/Vodafone live!
対応HTMLタグ辞典付

八木澤 知彦,チュービット 著
翔泳社 発行
2004年6月
359ページ
3129円(税込)
Jakartaプロジェクト
カンタンStruts1.1 改訂版

カサレアル,石井 真,阿島 哲夫 著
秀和システム 発行
2003年9月
307ページ+CD-ROM
2205円(税込)
Struts イン アクション
Ted Husted,Cedric Dumoulin,
George Franciscus,David Winterfeldt 著
クイープ 訳
芦沢 嘉典 監修
ソフトバンク パブリッシング
2003年12月
659ページ
5040円(税込)
Java徹底活用
JSFによる
Webアプリケーション開発

川崎 克巳 著
秀和システム 発行
2004年7月
446ページ
2730円(税込)

通信プロトコル
/HTML
/JavaScript
ケータイの知識も必要

 JSPとサーブレットだけでは,Webプログラミングの知識として不十分です。Java技術以外の分野,例えば通信技術,HTML,JavaScriptなどの知識も必要です。加えて,携帯サイトでは携帯電話特有の知識も求められます。それぞれについてお薦めの書籍を紹介しましょう。

 まず通信技術です。通信上の問題や制限に起因したトラブルを避けるためにぜひ読んでいただきたいのが「Webプロトコル詳解」です。本書は,Webブラウザ,Webサーバー,プロキシの動作の仕組み,TCP/IPやHTTPなどの各種プロトコル,Webキャッシングなどについて詳細に解説しています。やや文章がこなれていないきらいもありますが,Webの基盤である通信技術はWebプログラマの基本的な素養とも言えるものです。すべてのWebプログラマにとって一読に値する本だと思います。

 HTMLの文法そのものは(特にプログラマにとって)それほど難しいものではありません。そこで参考書を選ぶときは,「こんな風に表示したい」という目的からタグなどの逆引きができることと,紹介しているテクニックの筋がよいことをポイントにするといいでしょう。こうした点から見てお薦めなのが「HTML&CSSマスターブック」です。

 HTML文書を見出しと本文の階層からなる構造化文書としてとらえ,どんな色,大きさで表示するかといったプレゼンテーションの情報を,HTML文書の外部にあるCSS(Cascading Style Sheets)に切り出すというのは,正統的なアプローチでありながら,なかなか実践されていません。本書は,とても見やすい紙面で,こういったHTMLとCSSを用いたWebページの作り方を解説しています。

 すでにHTMLについてある程度の知識を持っているならば「HTML&XHTML 第5版」がお薦めです。本書は,HTMLの各タグを詳しく解説するほか,スタイルシート,XML,XHTMLについてもかなりのページを割いています。HTMLやXHTMLの詳細なスペックを知りたい人は重宝するでしょう。

 JSPやサーブレットなどのサーバーサイドJavaが全盛の時代に,今なお生き延びているクライアント側の技術がJavaScriptです。JavaScriptの入門書は書店に行けばいくらでも見つかりますが,Javaのような本格的なプログラミング言語を学んだことのある人は少し物足りなく感じるかもしれません。そのような人にお薦めなのが「JavaScript 第3版」です。この本は,サンプル満載のJavaScript速習本とは異なり,言語やプラットホーム(Webブラウザ)の本質的な部分をきちんと解説しています。それだけにやや難しく感じる部分もありますが,職業プログラマの皆さんなら十分に読み解けるものと思います。

 ある日突然,携帯端末用Webサイトの制作を上司から命じられたら…。そんなときに手にとってほしいのが「携帯端末用Web制作バイブル」です。本書は,現場の開発者が実際に各種の端末を用いて積み重ねたノウハウをチュートリアル形式で幅広く紹介しています。例えばオリジナル・ムービーを作成する節では,各キャリアごとのフォーマットの違いから,QuickTime Proを使ってムービーを作成する際の操作法までを効率よく学べます。圧巻なのは本書の4割以上を占める端末スペック表やタグ辞典などの資料編です。携帯サイトの構築では多くの端末による検証作業が必要となりますが,整理されたスペック表を利用すればその手間を大幅に省くことができます。様々な困難を伴うケータイWebの開発において,本書は心強い味方となってくれるはずです。

今後必須となるのはフレームワークの知識

 現実のWebアプリケーション開発では,開発効率を考えて様々なフレームワークを利用することが一般的になってきています。中でも現在デファクト・スタンダードと言えるのがJakartaプロジェクトが開発しているオープンソースのWebアプリケーション開発フレームワークStrutsです。また今後は,Visual BasicのようなRAD(Rapid Application Development)環境でWebアプリケーションを開発するためのフレームワークJSF(JavaServer Faces)も重要になってくるでしょう。

 そこでStrutsの入門書として挙げておきたいのが「Jakartaプロジェクト カンタンStruts1.1 改訂版」です。Strutsのインストールの仕方から基本的な仕組み,タグライブラリの使い方などをわかりやすく解説しています。サーブレットやJSPについて詳しくなくても読み進めることができるので,短期間にStrutsの概要を学びたい人にお薦めの本です。付録CD-ROMにはTomcatやStrutsなども収録されています。実際に手を動かしながら学びたい人にはぴったりでしょう。

 一方,Strutsについてより深く詳しく学びたい人には,説明がわかりやすくかつ詳細な「Struts イン アクション」をお薦めします。ただし,フレームワーク特有の抽象的な設計の考え方を理解していないと,最初は話の流れが読めないかもしれません。Strutsとは何であるかといった予備知識くらいは事前に身に付けておく必要があるでしょう。

 Webアプリケーション開発の新たなフレームワークとして注目されているJSFは,現時点では対応プラットフォームが乏しいうえに仕様も進化を続けており,日本語による資料はそれほど多くありません。その中で「JSFによるWebアプリケーション開発」は,JSFの概要から環境構築,チュートリアル,米Sun Microsystemsが開発した開発ツールJava Studio Creatorの試用レポートなど,行き届いた内容になっています。進化が速い分野だけに本書の旬は短いかもしれませんが,新技術に興味のある方は本書で一足早くJSFに触れてみるとよいでしょう。