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編集の現場から

嫌がる人を捨ててでも商品化する勇気

川又 英紀=日経情報ストラテジー 2005/12/13 ITpro

 2005年のヒット商品になったサントリーの炭酸飲料「バブルマン」をご存知だろうか。健康志向の人からすると「なんで今さら(体に悪そうな)炭酸飲料なの?」と思うかもしれないが、「宇宙をイメージした鮮やかな青色」の飲み物とバブルマンのキャラクターが、子供たちには大ウケした。

 7月に発売したバブルマンのソーダ味は、真っ青で「奇妙な」飲み物を敬遠する人たちの意見を捨ててでも、思い切って商品化している。この割り切りが成功の秘密だった。

 青色のソーダ飲料の試作品を作り、100人の消費者に見てもらったとき、大きく4つの意見が出たという。

1、無邪気においしそうだ
2、不思議な感じだ
3、体に悪そうに見えるが、炭酸飲料はこれぐらいのほうがいい
4、体に悪そうだから嫌い

 サントリーは4番目の「体に悪そうだから嫌い」と答えた人たちを捨ててでも、バブルマンのソーダ味を商品化したわけだ。

 というのも、最初から予想されたことだが変わった色の炭酸飲料を毛嫌いする人が確かにいる一方で、「目をキラキラさせて関心を示す人たちも大勢いた」(バブルマンを開発したサントリー食品カンパニー食品事業部の三宅克幸氏)。そうした顧客の目の輝きを見て、自信を持って商品化に踏み切ったという。

 CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)が叫ばれて久しいが、日本企業はどうしても顧客層を区別して別々の対応をとるのが総じて苦手だ。欧米企業のように、例えば「リッチ層だけを相手に商売をする」といった思い切った顧客ターゲットの割り切りができなかったりする。

 そうなると、結局ターゲットが明確にならず、どの層からも中途半端な商品やサービスに見えてしまうことはよくある失敗だ。

 商品開発では、それが致命傷になる。たいていの場合、「誰にでも合うと思って作った商品は、誰にも合わなくなる」ことが多い。焦点がボケているのだ。

 ターゲットを絞れば、一見市場が小さくなったように思え、商品化のリスクが高まるように思えてくる。商品開発担当者は誰でも、1人でも多くの顧客に自分が作った商品を手に取ってもらいたいと思うので、一般には市場を絞りたがらない。

 だが、ターゲットを絞らなければ、顧客の心に商品が「刺さらない」。顧客の心を揺らせないのだ。

 バブルマンの場合、健康志向の大人を捨ててでも、子供たちや子供のような心を持ち続ける大人に絞って商品開発すべきだった。頭では分かっていても、そこまでできるかできないかは大きな経営判断である。

 サントリーは、その決断を下した。緑茶飲料が好まれるこのご時世に、緑茶を買ってまでは飲まない小・中学生の男子の興味を強く引き付け、炭酸飲料の新商品をヒットさせた。



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