図 RSSを使う情報配信のしくみ 「配信」といっても実際はRSSリーダーがWebサイトに用意されたRSSデータを定期的に取りにいく。
図 RSSを使う情報配信のしくみ 「配信」といっても実際はRSSリーダーがWebサイトに用意されたRSSデータを定期的に取りにいく。
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 ブログ・サイトやニュース・サイト,ポータル・サイト,企業サイトなど,さまざまなWebサイトで,「RSS」という言葉を見かけるようになった。RSSとは,Webページを要約するために用意されたデータ・フォーマットのこと。WebサイトがRSSに基づく要約データ(RSSデータ)を公開し,それをエンドユーザー側のRSSリーダーで利用する。これがRSSの基本的な使い方である。

 RSSのフル・スペルは,RSSのバージョンによって異なる。RSS0.91では「rich site summary」,RSS1.0は「RDF(resource description framework)site summary」,RSS2.0は,「really simple syndication」の略ということになっている。

 ほとんんどすべてのブログ・サイトは,ユーザーが登録したブログのサマリをRSSデータとして公開している。最近では,ニュース・サイトやポータル・サイト,企業サイトなどでも,記事や最新情報の更新をRSSデータで公開するところが増えている。

 これらのサイトでは,Webページを更新したときに合わせてRSSデータを更新する(図の1)。同時にWebページ内にRSSデータへのリンク(そこにはRSSデータのありかを示すURLが書かれている)を埋め込む。このRSSデータのURLを「RSSフィード」という。Webページ上では,「RSSフィード」,「RSS」,「XML」といった名前のリンクとして表示されることが多い。

 ユーザーが表示したWebページ中にRSSフィードを見つけたとき,今後更新情報をチェックしたいと思えば,そのRSSフィードをRSSリーダーに登録しておく。するとRSSリーダーは,Webアクセスと同じHTTPを使って,定期的にWebサイトにアクセスし,RSSデータをダウンロードするようになる(図の2)。

 このように,定期的にRSSデータを読み込んでくることで,RSSリーダーは情報を最新に保つようにしている。このため,ユーザーがRSSリーダーの画面を開くと,RSSリーダーは常に最新のWebページの要約を表示する(図の3)。つまり,ユーザーにはあたかもWebサイトから最新の情報が配信されているように見える。

 エンドユーザーが使うRSSリーダーは,専用ソフトとして提供されているほか,Webブラウザの標準機能として組み込まれるようになっている。OperaやFirefoxはすでにRSSリーダー機能を備える。Internet Explorerも2006年にRSSリーダー機能を実装する予定である。