図 標準技術を組み合わせたDLNA
図 標準技術を組み合わせたDLNA
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 ホーム・ネットワークでディジタルAV機器同士やパソコンを連携させるための仕様を策定するために設立された業界団体の名称。マイクロソフト,インテル,松下電器,ソニーといった企業が参加している。最初の仕様である相互接続ガイドライン1.0(DLNAガイドライン)は2004年6月に策定された。

 このDLNAガイドラインでは,コンテンツを提供するサーバーをDMS(digital media server),再生するクライアントをDMP(digital media player)と呼ぶ(図)。DMSとDMPの機能をどの機器に持たせるかはメーカーの自由。両方を1台の機器に実装することも可能である。DLNAガイドラインは,このDMSとDMPが連携動作するために必要な条件を定めている。このガイドラインに準拠した機器同士なら,ネットワークにつなぐだけで特別な設定なしにコンテンツをやりとりできるようになる。DMPをLANに接続すると,IPアドレスなどが自動的に割り振られ,通信できる状態になる。そしてDMPはLANにつながっているDMSを探し,そこに格納されているコンテンツのリストを取得して表示する。

 DLNAガイドラインの仕様は,すでにある標準規格や汎用プロトコルを組み合わせたものである。新たに作られたプロトコルはない。例えば,伝送規格はイーサネットかIEEE802.11無線LANを利用する。通信プロトコルはTCP/IP。制御メッセージの交換やファイル転送にはHTTP(hypertext transfer protocol)を使い,メッセージはXML(extensible markup language)で記述する。動画のデータ形式はMPEG2で,静止画はJPEG——といった具合である。このうえでガイドラインは,必ず使えるフォーマットをそれぞれのメディアごとに少なくとも一つは指定している。それ以外のフォーマットはDMPとDMSの間であらかじめ決めておいて使う。

 DLNAガイドラインで中核になっているのは,UPnP(Universal Plug and Play)の仕様である。DMSやDMPにアドレスを割り当てたり,自動認識する部分にはUPnP Device Architectureで規定されたプロトコルを使う。持っているファイルの一覧情報を提供し,データを送り出すDMSにはUPnP Media Serverの仕様を使う。