●有料版ではWEPキーを発行
●有料版ではWEPキーを発行
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●アクセスポイントから3つのESS-ID
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●電柱に設置しているアクセスポイント
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 ライブドアがこの8月1日から開始した公衆無線LAN接続サービス「livedoor Wireless」(発表時のD-cubicから名称を変更)。正式開始は10月1日を予定しており、現在は試験サービスの段階だ。正式サービス開始時には東京のJR山手線内の80%をカバーする予定だが、まずは東京の六本木と新宿の一部からの試験サービス開始となった。

 幸運なことに記者の住む高田馬場は新宿エリアの片隅。そこからアジア料理盛んな大久保、さらに歌舞伎町へと、まるで行動範囲を読まれたかのような試験エリアだ。早速、無線LAN(IEEE802.11 a/b/gの3規格に対応)を内蔵したノートパソコン「Let's note CF-R4GW5AXR」を持参して、アクセスポイント(AP)が設置された電柱に向かった(徒歩2分)。

 現在の試験サービスには有料版と無料版の2種類がある。どちらを使うにも、ライブドアが発行する無料の「livedoor ID」が必要だ。有料版はこれに加えて同社の簡易決済サービス「livedoorウォレット」への登録が必要。有料版は月額525円だが正式開始までは無料となっている。

 有料版と無料版の違いは2つある。1つはセキュリティ。有料版は128bitのWEP方式で通信が暗号化されるが、無料版は暗号化なし。もう一つはアクセスの自由度だ。有料版は通常のインターネットと同様、どこにでもアクセスできるが、無料版はライブドアが運営する「livedoor」サイト内のコンテンツだけとなる。

無料版でも助かる人は多い

 APはすぐに発見できた。2本のアンテナが立っており、よく見るとライブドアのロゴが見える。電柱の横に標識のように飛び出しているため目立つ。早速、ノートパソコンを広げて実験開始だ。

 Windows XPの「ワイヤレスネットワークアクセス」を開くと、ライブドアのものだと一目で分かる「livedoor web」「livedoor free」「livedoor dot1x」という3つのESS-ID(APの識別子)を検出。接続先ESS-IDによってサービスを選ぶ仕組みで、有料版で利用するのがlivedoor web、無料版がlivedoor freeだ。このほかIEEE802.1x認証を使うサービスを本格開始時に追加予定で、3つ目のlivedoor dot1xはそのための準備用だそうだ。

 まずは、無料版のlivedoor freeに接続してみた。Webブラウザーを開くと、強制的にライブドアのログイン画面が表示される。そこでlivedoor IDとパスワードを入力すれば認証が完了する。最初は「Attention 注意!」と、暗号化していない旨の注意書きが出る。先へ進むとlivedoorのポータルサイト(http://www.livedoor.co.jp/)が現れる。

 無料版ではこのサイトから外へ出られないので、おなじみのlivedoorコンテンツを利用するにとどまる。しかし、路線検索に地図閲覧、交通情報、ホテル予約、価格比較、ニュース、電話帳など、内容はとても豊富だ。検索サービスも使えるが、検索結果をクリックすると、赤い文字で「Sorry」となるのが無償版ならでは。他サイトのURLを入力したときも同様だ。ライブドアの無料IP電話ソフト「livedoor Skype」も利用できない。

 一方の有料版を使うには、livedoorウォレットに登録後、livedoor Wirelessに申し込む必要がある、いずれもいったん無償版で接続しての登録も可能だ。するとWEPキーが発行されるので、それをlivedoor IDなどと一緒に入力して接続する。あとは無料版と同様だが、こちらにアクセス制限はない。Skypeももちろん利用可能。速度測定サイトでテストしたところ、上下ともに7M~8Mbps程度のスループットが出ていた。理論値の通信速度が最大54MbpsのIEEE802.11gにしては遅いが、十分すぎる速度だ。

 あまりの暑さに、電柱の向かい側にある定食屋に入って、再度実験を試みた。電波強度は若干、下がったものの、建物内でも十分利用できた。最初からここで実験すればよかったと、ご飯を食べながら後悔した。