●Internet Explorer 7に搭載される新機能
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●タブブラウザーが標準機能に
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●ツールバーに検索窓を表示
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●フィッシングフィルターで詐欺を防ぐ
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●RSS情報も表示
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●IEのアドオン管理を強化
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●Webページを1枚の用紙ぴったりに印刷できる
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 Windowsに標準搭載のWebブラウザー、「Internet Explorer(IE)」の最新バージョン「同7」が、7月27日、一般ユーザーに先駆けて開発者向けに公開された。まだベータ1(初期試用版、英語のみ)という段階ながら、「タブブラウザー」や「RSSリーダー」などの最新機能が搭載されており、現行の「IE6」からは大きく進化している。

 本誌編集部はIE7ベータ1を入手。一足先に新機能の一端を紹介しよう。

インタフェースを一新

 IE7はもともと、Windows XPの次期版OS「Windows Vista」での搭載を前提に、開発が進められてきた。Windows Vistaの出荷開始は2006年末の予定だ。

 ところが、現行のIE6が提供開始から既に4年が経ち、機能強化に対する要望が高まっていること。さらに、「FireFox」という競合関係にあるブラウザーが、豊富な機能を武器にシェアを徐々に伸ばしていることを受け、IE7の開発スケジュールは前倒しされた。

 IE7を見てすぐに気づくのが、画面上部のインタフェースが、IE6のそれとはかなり違っていることだ。

 まず目を引くのがタブブラウザー。これは複数のサイトが、ブラウザーの1つのウインドウ内に表示され、タブを押すだけで表示するサイトを切り替えられる機能。新たなタブの追加、削除はともに画面右のボタンをクリックするだけ。従来は複数のサイトにアクセスする度に別のウインドウが開いていた。タブブラウザーは、複数サイトを行き来する際の使い勝手を大幅に改善する。

 ツールバーには検索窓を追加。ここにキーワードを入力すれば、Webページの検索ができる。検索エンジンは、米マイクロソフトの自社製エンジンである「MSN Search」のほか、「Google」や「Yahoo! Search」など5種類から選択できる。

 RSSリーダー機能を新たに搭載した点も特徴の一つ。ブログやニュースサイトなど、RSS情報を配信しているサイトを表示すると、それを示すアイコンがオレンジ色に光る。このアイコンをクリックすると、ニュースの見出しや概要といったRSS情報の表示や登録が可能となる。IE6までは、XMLで記述された記号の羅列である、“生”のRSS情報しか表示できなかった。

 IE7では、RSS情報のブックマークが可能で、お気に入りとして登録できる。アクセスするたびに、最新のRSS情報が表示される。ただし、専用のRSSリーダーのように、対応サイトの情報が更新されたかどうかまでを一目で把握することはできない。こちらの機能は、正式版でサポートされる予定だ。

フィッシングサイトを判定

 IE7では、セキュリティ機能の強化も図られている。最大の目玉は、「マイクロソフトフィッシングフィルター(MPF)」。オンラインバンキングや、クレジットカード会社のサイトを偽装して、ユーザーのIDやパスワードを盗み取るフィッシング詐欺を防ぐ機能だ。

 マイクロソフト側で用意している、フィッシングサイトのリストと、ユーザーがアクセスしているサイトを照合し、その危険度を表示する。これは同社が、迷惑メールの振り分け用に採用する「スマートスクリーン」のフィッシング詐欺向け機能、と考えると分かりやすいだろう。

 MPFをオンにすると、詐欺の恐れがないサイトを表示する際には、安全を示す緑色の専用アイコンが表示。一方、フィッシングサイトの疑いが強まるにつれ、色が黄色(警告レベル低)、赤色(警告レベル高)となっていく。この色使いは、Windows XP Service Pack 2(SP2)で搭載された、セキュリティの状態を示すアイコンと同様である。ユーザーが、マイクロソフトに対し、フィッシングと思われるサイトを報告できる機能もある。

 セキュリティ機能としてはもう一つ、IEのアドオン(機能追加用プログラム)の一括管理が強化された。Windows XP SP2同様、アクティブXやフラッシュなど、どういったプログラムが組み込まれているかの一覧、機能の有効/無効、削除までを設定できる。このほか、アクティブXだけを集中管理する機能や、アドオンをインストールできない状態でIEを起動する「No Add-ons」モードが新たに追加された。

ぴったり印刷機能も搭載

 セキュリティ関連以外にも、便利な機能が加わった。Webページをプリンターで印刷する際に、正しく印刷したはずなのにWebページの一部が途切れて印刷された経験がある読者は多いだろう。こういう場合、IE6では、横向きに印刷するか、プリンターメーカーなどが提供する専用ツールをインストールするしか対応策がなかった。IE7では、「Shrink To Fit」という“ぴったり印刷”機能を備えている。これを使えば、用紙サイズに合うよう、Webページを自動で縮小して印刷してくれる。印刷枚数の削減にもつながり、経済的な機能となっている。

 数々の新機能を備えたIE7。日本語への対応は、試用版のバージョン2である「べータ2」からとなる見通し。これは、ベータ1で見つかった課題を修正し、さらに機能もいくつか追加して今秋にも登場する予定だ。そして、正式版は来年春ごろに登場する見通しとなっている。これはWindows XP SP2向けで、それ以前のOSについては、今のところサポートする予定はないという。もちろん、2006年末に出荷予定のWindows VistaにはIE7が標準搭載される。