資料の紹介

 サービスレベルの指標として取り上げられることの多い「稼働率」「SLA」の定義と、現実的な意味の読み解き方を紹介する。

 SLA(Service Level Agreement)を結ぶ際に参照する指標は、一般的には稼働率が多い。稼働率からクラウドの可用性や安定性をイメージするには、システムの年間停止時間に置き変えてみるとよい。例えば「稼働率99%」は年間の停止時間では4日間。そういう停止時間を実現する具体的なシステム構成をイメージすれば、コストも考えやすくなる。

 対象期間以上に注意すべきなのは、SLA値算出の対象である。どういった部分をSLAの対象とするかは、各クラウドベンダーのサービスによってまちまちになっている。例えば、Amazon EC2ではSLAの対象を「リージョン」としている。このため、クラウドサービスのどこかでシステムダウンがあっても、一つのリージョン内で他のシステムが動いていれば「稼働中」と見なされる。

 SLAに関する最もよくある勘違いは、それが「ある指標(例えば稼働率)以下の値にはならないことを保証している」、つまり「可用性を保証している」と思い込むことだ。しかし実際には、SLAに違反した場合「一定金額を返金する」などの規定がある場合が一般的だ。極端な話、クラウド事業者は返金さえすれば、値を守らなくてもよいことになる。SLAで設定された可用性が、常に保証されると信じるのは危険である。