巻野合成樹脂株式会社
専務取締役
巻野 庄 氏

 自動車や配電盤などの部品となる合成樹脂製品を製造する巻野合成樹脂は、製品ごとに異なる成形の条件書や検査規格書などの生産管理データを、社内に設置したサーバーで管理していた。これらのデータは、事業の根幹をなす重要なものだ。

 そこに数年前、緊急事態が発生した。サーバーが故障し、約2年間分もの蓄積データを消失してしまったのである。

 成形条件を確定するための細やかな機器調整を最初からやり直さなければならず、多大な時間を費やすことを余儀なくされた。仮に納期遅れを起こせば信用を失い、その後の機会損失につながりかねない。まさに存亡の危機といえる深刻な事態だった。

巻野合成樹脂が製作する
自動車や配電盤などの部品

 この経験からデータバックアップの重要性を痛感した同社専務取締役の巻野庄氏は、ミラーリング機能付きのサーバーを導入するとともに、定期的にほかの端末にも手動でバックアップを取るなど、データ保護を強化してきた。

 それでも「火災や地震などの災害でサーバーもPCも同時に破損した場合、データ消失は免れない」と不安は消えなかった。経理情報や売上情報など、経営情報の電子化の進展にともなって管理対象となる重要データが増大しており、データ消失に関するリスクはますます高まっているだけになおさらだ。

 また、データの増加とともに手動バックアップの作業が煩雑化しており、手間をかけることなく定期的に自動バックアップを行える仕組みを模索していた。

 そんな折、NTT西日本による「攻めの企業経営と大阪地域のIT化実態」と題したクラウドサービスのセミナーに参加。そこで目にしたのが「データ貸金庫プラン」というソリューションだった。デモンストレーションを体験した巻野氏は、「当社が抱える課題の解決につながるかもしれない」と直感した。

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