ビジネスを支えるITの役割が大きく変わってきている。過去30年間におけるITは、ERP(統合基幹業務システム)に代表される業務の効率化や自動化といったアプローチによって、企業全体の生産性を向上することに主眼が置かれていた。それが現在では、新しい事業創造や競合他社に対する差異化の実現など、ビジネスそのものを“変革”させていく戦略的な基盤としてITを活用していくことが、経営の重要課題となっている。こうしたことを背景に、企業の「ビッグデータ」への関心はますます高まっている。
ところが現状では、ビッグデータを活用したいという意欲は持っていても、多くの企業がその初期段階でつまずいている。ビッグデータからビジネスに有益な知見や洞察(気づき)を生み出すためには、多種多様なシステムやデバイス、チャネルに分散したデータを集約・統合し、複合的なアナリティクス(分析)を実行できるように最適化する必要がある。この最適化のための方法が、データウエアハウスやBI、Hadoopといったツールや製品ごとに異なっていることが、大きなハードルとなっているのである。
そこにCEOやCIOといった経営幹部はどう臨むべきだろうか。
「まず考えていただきたいのは、ビッグデータ活用によって最終的にどのようなビジネスバリューを実現するのかという目標をしっかり見定めることです。要素技術にとらわれすぎるのは、現場に混乱を招くだけです」と示唆するのは、米国インフォマティカの会長兼CEO、ソヘイブ・アバシ氏である。
米国の調査会社ザ・インフォメーション・ディファレンスの評価においてマスターデータ管理分野の「リーダー」に位置づけられ、2013年第2四半期の総売上で前年比17%増を達成するなど好業績を続けるインフォマティカ。同社は、ビッグデータ活用を見据えた革新的なデータ統合を提唱する。それはどのようなメリットが企業にあるのか、アバシ氏に聞いた。