取引停止も!? 「サポート終了」で起こる問題
Windows XPのサポート完全終了が刻一刻と近づいている(図1)。大量のクライアントPCを所有する大手企業や、危機管理意識の高い企業では、Windows XP端末からWindows 7および 8への端末リプレース作業をすでに終えているところも多い。しかし、中小企業を中心とする多くの企業では取り組みが遅れがちになっており、なかにはWindows XPのサポート終了自体を、最近になって初めて知ったという企業もあるという。
「これまで使い続けてきたのだから、これからも大丈夫」――。そんな楽観的な考えを持っている企業がいるとしたら、それは大きな間違いだ。サポートが終了したOSを使い続けることは、様々なビジネス上のリスクを生む。
中でも最大のリスクが、セキュリティレベルの低下だ。サポート終了に伴い、マイクロソフトからのセキュリティパッチ配布が完全に停止される。これを機に、ウイルスやマルウェアによる攻撃が増加するとの予測もあり、企業のPCはそうした新しいリスクに、ほぼ丸腰でさらされる状況となるのだ。
これは同時に、顧客や取引先のシステムに多大な迷惑を及ぼすリスクにもつながる。Windows XPのセキュリティホールを悪用し、攻撃の「踏み台」にされるケースが考えられるからだ。自社の端末が原因で、第三者に被害を及ぼすことになっては、企業の信用失墜はまぬがれられない。最悪の場合は、取引の停止にもつながるはずだ。
ほかにも、サポートが切れたPCを使い続けることは、管理者の負荷やコストの増加につながるなど、運用効率の面でもデメリットは大きい。いわゆる「2014年問題」として、一刻も早いPCのリプレースが各所で叫ばれているのには、こうした背景がある。
とはいうものの、知識やスキル、予算の少ない企業にとって、移行作業は簡単なことではない。それでは、こうした多種多様なリスクを排除し、端末の入れ替えプロジェクトをスムーズに進めるために、企業は具体的にどんな手を打てばよいのだろうか。