モバイル環境全体をソリューションとして捉えるべき

 多様なモバイルデバイスが登場した現在、多くの企業がそれらをどのようにビジネスに活かすかという点に頭を悩ませている。他社の事例を参考にしたり、試行錯誤を繰り返したりしながら、活用の最適解を模索している。

 代表的なのがノートPCとタブレットPCの使い分けだ。

 携帯性に優れたタブレットPCは、外出先などでの情報活用レベルを大きく向上してくれる。気軽に社内システムやインターネットにアクセスし情報を検索できるほか、これまで紙で持ち歩いていた資料をすべて格納し、スムーズな営業活動に役立てることが可能。また、外出先からWeb会議システムでミーティングに参加したり、社内SNSを使って他の社員やチームのメンバーとリアルタイムに情報共有を行うなど、タブレットPCは、ワークスタイルを大きく変える可能性を秘めている。ガートナーの調査によると、2012年から2017年にかけて、国内のタブレット出荷/販売台数は43万台から135万台へと3倍以上に成長すると言われている(図1)。

図1●2012~2017年の日本のモバイルデバイス出荷/販売台数予測(法人市場)
2017年までにタブレット市場は3倍以上に成長すると予測。同時にPC市場も堅調に推移すると考えられている

 とはいえ、ノートPCがすべてタブレットPCに置き換わるかといえば、そうではない。

 タブレットPCが特に優れているのは、情報を「アウトプット」する際の使いやすさ。簡単な入力作業は行えるが、情報を加工し、資料を作成するような「インプット」を行う際には、やはりノートPCの方が効率的だ。実際、ほとんどのユーザーが、仕事に応じて複数デバイスを利用しているという調査結果もある。

 つまり、ビジネスにおける最適なモバイルデバイス活用を実現するには、どのデバイスが優れているか、どのデバイスを選択するかという視点ではなく、自社のビジネスや目指すワークスタイルを考慮し、最適なモバイルデバイスを適材適所に活用。その上で、モバイル環境全体をビジネス成長のためのソリューションとして捉えることが重要となるのである。

 もちろん、ビジネスに利用する以上、このソリューションには、各デバイスの最適な管理を実現するための環境整備も含まれる。

 昨今、耳にするようになった「PC+(プラス)」というキーワードは、このような考え方を示すもの。では、具体的にモバイルデバイスの利用環境はどのように整備していくべきなのか。次ページからは、その最適解を紹介する。

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