早いもので、2014年2月から始まったこの連載も、今回で最終回を迎えることになりました。 最終回は、筆者が考えるBtoB マーケティングの理想形を述べていきたいと思います。

マーケターはチェインをつなげ
- Marketing Chain Managementのススメ -

 これまでの連載で
 【第1回】データベースの重要性
 【第2回】セグメンテーションとターゲティングの実践編
 【第3回】顧客の予算と自社商材のポジショニング)
 【第4回】リード管理
 【第5回】テレマーケティング
と、第1回から第5回までは、マーケティングにおける個々の「基盤」について説明を重ねてきました。こうしたそれぞれの基盤がつながることで、マーケティングの様々な活動が最適化できるようになります。

 ところで、ITproマーケティングの読者であればSCM(Supply Chain Management:サプライチェインマネジメント)はご存知でしょう。

 ウィキペディアによると、「価値提供活動の初めから終わりまで、つまり原材料の供給者から最終需要者に至る全過程の個々の業務プロセスを、一つのビジネスプロセスとしてとらえ直し、企業や組織の壁を越えてプロセスの全体最適化を継続的に行い、製品・サービスの顧客付加価値を高め、企業に高収益をもたらす戦略的な経営管理手法」とあります。

 BtoBにおけるマーケティングとは、広告やイベント、テレマーケティング(テレマ)といった、各活動の個別最適ではなく、そのすべてをつなぎ、売上に導くことが本来の目的です。

 つまり先ほどのウィキペディアによるSCMの定義を流用すると、
「価値提供活動の初めから終わりまで、つまり顧客の定義・獲得から認知・育成活動と、営業活動に至る全過程の個々の業務プロセスを、一つのビジネスプロセスとしてとらえ直し、企業や組織の壁を越えてプロセスの全体最適化を継続的に行い、製品・サービスの顧客付加価値と販売効率を高め、企業に高いROMI(Return Of Marketing Investment:マーケティング活動の投資対効果)をもたらす戦略的な経営管理手法」
と言い換えることができます。

 生産活動において、生産と販売のチェインを繋ぐのがSCMならば、マーケティング活動とセールス活動のチェインを繋ぐのが、MCM(Marketing Chain Managementマーケティングチェインマネジメント)であるといえます。

 売上を最大化するためのマーケティングチェインにおいて、マーケターには様々なステージやプロセス全体を見渡し、営業活動を最適化する活動が求められています。具体的には、PreMQLという仕掛在庫の管理、パーミッションという部品調達の最適化、後工程(営業部門)の稼働に合わせたQualificationの柔軟な運用などが挙げられます。こうした売上までの工程、すなわち「マーケティングチェイン全体」をデザインし、ボトルネックを解消し、プロセスを最適化していくことが、これからのBtoBマーケティングにおける理想形です。

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