市場の飽和が鮮明となってきた通信業界。事業者間の差異化が難しくなり、携帯電話の春商戦ではキャッシュバックの積み増しで顧客を奪い合うような状況も見られた。今回は、通信業界の競争状況に対する評価を読者モニターに尋ねた。

 携帯電話市場は、競争が進んでいるとの評価が6割強を占めた。ただ、競争促進が必要な分野を聞くと、全体の86.7%が「料金」と回答。2位の「通信速度」(35.7%)や3位の「サービス」(34.2%)を大きく引き離した。スマートフォンへの移行で通信料の負担が増える傾向にあり、料金に対する不満は根強いようだ。

Q1. 携帯電話市場の競争は進んでいると思いますか
Q1. 携帯電話市場の競争は進んでいると思いますか
Q2. 携帯電話市場で競争促進が必要な分野はどれですか
Q2. 携帯電話市場で競争促進が必要な分野はどれですか

 一方、固定通信市場は、競争が進んでいるとの評価が約2割にとどまった。「どちらとも言えない」が3割強と多いものの、5割弱が「進んでいない」との評価である。競争促進が必要な分野は、やはり「料金」が146件(74.5%)と最も多い。以下、「サービス」(37.2%)、「通信速度」(32.7%)、「エリア」(24.5%)と続いた。

Q3. 固定通信市場の競争は進んでいると思いますか
Q3. 固定通信市場の競争は進んでいると思いますか
Q4. 固定通信市場で競争促進が必要な分野はどれですか
Q4. 固定通信市場で競争促進が必要な分野はどれですか

 総務省の規制改革議論で話題となっている「NTTグループによる携帯と固定のセット割」の是非については、「解禁すべき」が59.7%、「すべきではない」が18.9%、「どちらとも言えない」が16.8%という結果だった。解禁となれば「NTTグループの市場支配力が高まる懸念がある」と前置きしたうえでの回答である。

回答者のコメントから
 固定と携帯を融合したFMCにはMVNOを参入させ、光インフラを保有するNTTにはハンディを与えなければならないと感じる。NTTが本当に自由を得たいなら移動体部分の資本関係を断ち、NTTドコモは独自に固定に参入、NTT東西はMVNOとして移動体に参入したほうがフェアな競争ができると思う。
●調査概要
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2014年4月17~24日
回答企業数(回収率):449社中196社(43.7%)