ほぼ満席となった会場。撮影:後藤 究(以下同)

 記憶媒体としてフラッシュメモリーを搭載してI/O性能を高めたフラッシュストレージが注目を集めている。さらに、サーバー/スイッチを含めて一元的に管理したり、汎用のPCサーバーをストレージとして使えるようにしたりするSDS(ソフトウエア・デファインド・ストレージ)のトレンドが立ち上がってきた。

 そこでITpro Activeでは、このように新しいテクノロジーを駆使した「次世代ストレージ」をテーマに、製品選択を支援するセミナー「次世代ストレージ~フラッシュからソフトウエア・デファインドまで~」を、2014年5月27日に東京で開催した。

 基調講演では、ストレージに詳しいガートナージャパンの鈴木雅喜氏が、市場動向を解説した。製品講演では、主要ベンダー4社が、自社製品の特徴を紹介した。主催者講演では、IT技術者向け専門誌『日経SYSTEMS』の島津忠承記者が技術動向をまとめた。

基調講演
デジタル化の波がストレージを変える、I/O性能と迅速な調達がカギ

 ストレージ分野の動向に詳しいガートナー ジャパンの鈴木雅喜氏が登壇。モバイル、クラウド、ビッグデータなどの新しいテクノロジーが普及する“デジタル化”の時代に、ストレージに求められる要件が変わってきたことを示した。

ガートナー ジャパン
リサーチ バイス・プレジデント
鈴木 雅喜氏

 鈴木氏はストレージを取り巻くITが変化していることを示し、この変化に対してストレージがどのように変わっていくのかを提示した。今後は、フラッシュメモリーやSDSなどの新しいテクノロジーが重要になるとした。

 講演ではまず、ビジネスが猛烈な勢いでデジタル化している現状について説明した。ソーシャル技術やビッグデータ技術などの新技術を取り込んだ新たなビジネスが生まれているという。IT(情報システム)部門だけの話ではなく、業務部門を含んだ企業全体でデジタル化の動きが起こっているとした。

 この“デジタル産業革命”の勢いは止まらない。ガートナーの予測によると、2017年までに、コンピュータの主な仕事は、計算することから学習することへと変わる。2020年までに、知識労働者の3人に1人が、彼ら自身によって訓練されたスマートマシンに職を奪われる。

 例えば、2020年のある朝、会社に行ったら、隣の席にロボットが座っていた―ということが普通に起こるのだという。ロボットは計算が速く、記憶量も豊富であり、夜も昼もなく仕事をする。人間ではとても勝負にならない。このようなデジタル化の未来は、決して非現実的な夢物語ではないと鈴木氏は言う。

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