モバイルデバイス向けの業務アプリケーション開発には企画段階でもう一つ、重要な手順があります。アプリの仕様をプロトタイプにより、あらかじめ検証しておくことです。

 企画の段階で、プロトタイプによる検証をする必要があるか疑問に思うかもしれません。しかしこれは必ず実施してください。

 プロトタイプで検証しなかったため、「仕様変更が発生して、開発費が大幅に増加した」「利用者からそもそも不要なアプリと評価された」「操作性が悪いため、誰も使わない」など、せっかく開発した業務アプリが失敗に終わった例がこれまでも多数あります。

操作性を評価するプロトタイプ検証

 プロトタイプによる検証をする目的は、アプリの操作性を評価することです。このため実アプリに近い画面レイアウトを作り、業務の実データを表示して、モバイルデバイス上で操作します。ただしデータ処理ロジックの実装は不要で、固定表示の画面が切り替わる程度で十分です。

 この段階でアプリを利用する予定者に操作してもらい評価を受けます。予想外の意見を含め、貴重なコメントを数多く得られるはずです。ここで発見された問題は、必要に応じてアプリ設計や運用計画にフィードバックして変更していきます。

3種類あるプロトタイプの作成方法

 プロトタイプの作成方法には、グラフィックツールによる作成、HTML5による作成、アプリ開発環境による作成という3種類が考えられます(表1)。

表1●プロトタイプ作成の方法

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