ユーザーとデータセンター(クラウド)をつなぐWANも、従来型サービスの“常識”が変わりそうだ。象徴的なサービスがNTTコムがこの3月に提供を開始する「Arcstar Universal One Virtual」(UNO Virtual)だ。オーバーレイネットワーク技術を使ってオンデマンドで仮想閉域網を構築する。

写真1●管理ポータルの設定画面例
Arcstar Universal One Virtualの場合。
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 UNO Virtualは物理回線のWANサービス「Arcstar Universal One」(UNO)のオプションという位置付けだが、単体でも利用できる。管理ポータル上で設定するだけで、NTTコムの自社クラウドと専用アダプターまたは端末(接続ソフト)の間にVPNを設定する(写真1)。物理回線はインターネットでもWANサービスでも構わない。オンデマンドに一括設定できるインターネットVPNのようなイメージだ。

 NTTコムの高部文宏ネットワークサービス部クローズドネットワークサービス部門担当部長は「クラウドに接続する足回りを迅速に提供するサービス」という。これまではクラウドサービスは数分でセットアップできても、ネットワークの設定には数週間かかっていた。UNO Virtualを使うと、短時間で閉域網を設定してクラウドサービスの利用を開始できる。

 UNO Virtualは、WANの機能を分離するサービスでもある(図1)。NTTコムは「まずはUNO Virtualで閉域接続を確保して、品質を高めたい拠点を物理回線のUNOに切り替えていく」(池尻雄一ネットワークサービス部テクノロジー部門担当部長)という導入シナリオを描く。従来のWANサービスの特徴である「閉域」と「高品質」を別々に導入できる格好だ。

図1●NTTコムの新サービス「Arcstar Universal One Virtual」はWANサービスの機能を分離
2014年3月に開始する新サービスでは接続の管理にSDNを採用。オンデマンドで閉域接続できるようにする。
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