自社クラウドの提供では挑戦者の立場となる通信事業者だが、他社クラウドも含めたサービスの「商社」としては強い存在感を示す。競合として想定するのは、システムインテグレータやITコンサルティング会社だ。

 ソフトバンクテレコムの皆川統括部長は「企業向けクラウドは『クラウド(コンピューティングインフラ)』『ネットワーク』『デバイス』『セキュリティ』といった要素の組み合わせで構成する」という(図1)。

図1●通信事業者の営業戦略は「クロスセル」が基本
企業向けのクラウドサービスは一般に4要素の組み合わせで構成する。このうちネットワークやデバイスを直接提供できる点が、通信事業者の強みになる。
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 法人向けクラウドの主役というとコンピューティングインフラと思われがちだが、国内のIaaS/PaaS/SaaS市場を合算した売上規模は2013年で1321億円、2017年でも3376億円という予想だ(IDC Japan調査)。8000億円規模とされる法人向けネットワーク市場に比べるとかなり小さい。コンピューティングインフラは差異化しづらく、参入が容易な市場になっている。値下げの圧力が掛かりやすく、「単体で利幅の大きいビジネスになるとは考えにくい」(ガートナージャパンの田崎バイスプレジデント)。

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