通信事業者がキャリアクラウドで狙うのは、法人ユーザーのオンプレミスで稼働している業務システムが中心となる。業務システムに適したサービスを用意して、キャリアクラウドに巻き取っていく。この点は各社で大きな違いはない。通信事業者のキャリアクラウド戦略には、自社クラウドを提供するベンダーとしての側面と、他社クラウドも提供する商社の側面の2つがある。それぞれ強みと弱みを検証しよう。

 まず、自社クラウドはIaaSが中心となる。例えばNTTコムは、BizホスティングEnterpriseCloud(BHEC)とBizホスティングCloudnの2本立てで提供する(図1)。このうち、BHECが業務システム向けのIaaSとなる。BHECの主な対象は米ヴイエムウェアのサーバー仮想化基盤「vSphere」を利用している法人ユーザー。オンプレミスの業務システムをクラウドに移行したり、オンプレミスとクラウドを併用したりするケースに向ける。人手による保守や電話サポートをメニュー化している。

図1●大手通信事業者3社が提供するIaaSの概要
3社ともVMwareベースの企業向けIaaSをラインアップする。
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