本連載ではサーバーやストレージといったハードウエアから、各種の業務システムに代表されるソフトウエア、さらにクラウドやスマートデバイスに至るまで、幅広いテーマを扱ってきた。これまでのトピックに比べると、縁の下の力持ちのような、やや地味な印象だが、情報システム利用に欠かせないのが「ネットワーク」だ。今回はユーザー企業へのアンケート結果を元に、ネットワーク周りの投資に関するユーザー企業の動向と、今後ユーザー企業が留意すべきポイントを見ていこう。
一見すると現状維持志向が強いネットワーク関連投資
以下のグラフは年商500億円未満の企業に対して、「今後3年間のネットワークへの投資意向(投資金額の増減)」を尋ねた結果である。
年商規模によって多少の差はあるものの、いずれも「変化なし」が7割前後を占めており、ユーザー企業におけるネットワーク投資意向は「現状維持」の傾向が強いといえるだろう。だが、本当に現状維持で良いのだろうか?本連載でも色々と取り上げてきたように、昨今の情報システムは大きな変化を遂げている。投資金額の増減という観点だけでなく、「今後重視する事柄」という観点で尋ねた結果を見ると、そうした変化の影響を垣間見ることができる。