クラウドのような大規模なデータセンター内のネットワークは、シンプルなL3ネットワークのファブリック「L3 ECMP Clos Network」になる――。そのような見通しを語るのは、米ジュニパーネットワークス(Juniper Networks)のバイスプレジデントを務めるアンカー・シングラ氏(Ankur Singla)だ。シングラ氏はジュニパーが2012年12月に買収したSDN(Software Defined Network)ベンダーである米コントレイルシステムズ(Contrail Systems)の最高経営責任者(CEO)を務めていた。

Nicira、Big Switch、Contrailはスタンフォード大出身

 コントレイルが開発し、現在はジュニパーの製品となっている「Contrail」は、「オーバーレイ方式」のネットワーク仮想化製品である。仮想マシンが稼働するPCサーバーに「仮想ルーター」をインストールし、仮想ルーター同士がトンネリング通信を行うことで、L3ネットワークの中に仮想的なネットワークを作り出す。同じような製品を販売するベンダーとしては、「VMware NSX」を販売する米ヴイエムウェア(VMware)や、「Big Switch Controller」などを販売する米ビッグスイッチネットワークス(Big Switch Networks)などがある。

 ジュニパーが買収したコントレイルや、VMwareが買収した米ニシラ(Nicira)、ビッグスイッチの3社はいずれも、米スタンフォード大学でネットワークの研究をしていた研究者が起業したベンチャー企業だ。また3社が目指す方向性も一致している。各社とも、データセンター内の物理ネットワークは極力シンプルにして、ネットワークに必要な機能はPCサーバーで動くソフトウエアによって実現することを目指している。

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