米アップルの「iPhone 5s/5c」や米グーグルの「Nexus 5」をはじめ、SIMロックを解除した端末の選択肢が日本でも広がってきた。今回は、携帯電話事業者から設備を借りて事業を展開するMVNO(仮想移動体通信事業者)の利用状況を読者モニターに尋ねた。
個人で利用中のユーザーは12.4%(20件)。スマートフォン(13件)やタブレット端末(4件)と組み合わせて使っていることが多く、月額料金は1000円未満が中心(13件)である。利用していないユーザーに今後の利用意向を聞くと、「条件が合えば検討する」が55.4%、「検討する考えはない」が23.7%となった。
企業で利用中のユーザーは6.2%(10件)とさらに低い。組み合わせて使う端末はノートパソコンやデータ通信カードなど多岐にわたり、月額料金は2500円以上、3500円未満が中心(5件)である。今後の利用意向は「条件が合えば検討する」が48.6%に対し、「検討する考えはない」が27.1%。総じて厳しい結果となった。
MVNOのサービスに対する不安や不満は、「端末の選択肢が少ない」が43件(26.7%)と最多。ただ、「通信速度が遅い」(34件)や「端末の価格が高い」(32件)、「料金プランの選択肢が少ない」(28件)も僅差で続く。「分からない」との回答が36件と多いことから、認知度の低さも少なからず影響しているとみられる。
自由記入欄では、サポートの弱さを指摘する声が目立った。「テザリングを使えない」「アンテナピクトが表示されない」「バッテリー消費が早い」などのトラブルも報告されており、「マニア向けの域を出ない」とも。企業の場合は「サポートの弱さを吸収できるノウハウや技術力が必要となり、大手でなければ厳しい」といった意見もあった。その大手は相対契約で料金の大幅な割り引きを受けていることが多く、MVNOの厳しさにつながっている。
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2014 年2月20~28日
回答企業数(回収率):399 社中161社(40.4%)