客室乗務員と運航乗務員以外の現場での活用も検討

 同社が、客室乗務員と運航乗務員に配布するタブレット端末としてiPadを採用した最も大きな理由は、セキュリティの高さだ。「何千人規模で導入することからセキュリティの確保が非常に重要だった。導入を検討した2012年当時は、iOSの方がAndroidよりも、セキュリティ面で優れていた」(小林氏)。

 外国の航空会社がiPadを既に導入し機内での試験運用を開始していたことも、iPadの導入を後押しした。「電磁波干渉(EMI)や急減圧など、航空機内で利用するための条件をクリアし、実績があったこともiPad選定の理由」(同)。

 iPad mini/iPadは、KDDIから購入した。通信事業者としてKDDIを選んだ理由は、日本航空がこれまで提供してきている従業員向けのヘルプデスクサービスとの相性の良さである。日本航空のサポートサービスにKDDIのサポートを組み込んだ形で提供できることが決め手となった。客室乗務員などの従業員から見れば、電話サポート時にワンストップで障害を切り分けて対応してもらえる。

 iPad mini/iPadは、客室乗務員と運航乗務員以外にも展開する予定だ。「客室乗務員と運航乗務員以外の現場でも、お客様に最高のサービスを提供するために、iPadやiPhoneを活用することを検討している」(小林氏)。

プロフィール
本社所在地:東京都品川区東品川2-4-11 野村不動産天王洲ビル
設立:1951年8月1日
資本金および資本準備金:3558億4500万円
従業員数(連結): 3万882人(2013年3月31日現在)
事業内容:航空運送事業、航空機使用事業