筆者は、中小企業のためのネット通販の勉強会を二つ主宰しています。一つは「IT研究会」もうひとつは「3万ドル倶楽部」です。「IT研究会」は1996年4月に第1回を開催し、次回で218回目となります(2014年4月末現在)。「3万ドル倶楽部」は、ネット通販を始めるにあたって「まずは月商300万円の売り上げを目標にしましょう」ということで名付け、2002年9月から活動しています。

Q&AコンテンツとGoogle検索

 前回はGoogle検索で上位に表示されるようになったことで、思わぬ販路拡大の可能性が広がった金野産業の事例を紹介しました。「ではどうやったら検索結果の上位に入れるのか」と思われる方も多いと思います。

 そこで今回は、顧客とのやりとりを元に作ったQ&A集を活用することで、Googleの検索結果の上位に表示されるようになった、テクノグラフ(東京都中央区)の取り組みを報告しましょう。きっかけになったのは、IT研究会でGoogleの検索の仕組みを学んだことでした。

写真1●テクノグラフがネットで販売する「ストラップ」
写真1●テクノグラフがネットで販売する「ストラップ」

 Googleでキーワードを入力して検索すると、膨大な数のホームページが表示されますが、その掲載順は、Google独自のアルゴリズムによって決まります。自社のサイトが、Googleを始めとする検索エンジンの検索結果で上位に表示されるよう対策を講じることを「検索エンジン最適化」といい、SEO(Search Engine Optimization、サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)とも呼びます。

 膨大なユーザーが集まる検索ページで、検索結果の上位に表示されるかどうかは、特にネットでビジネスをする企業にとっては大問題です。上位争いも激し、SEOを請け負う有償サービスも生まれました。ですが、当のGoogleは、行き過ぎた対策に警鐘を鳴らしており、質の悪いコンテンツを排除する技術を開発してきました。

パンダからペンギン、そしてハミングバードへ

 質の悪いコンテンツを排除する目的で、Googleが2011年(日本上陸は2012年)に発表したのが「パンダ・アップデート」です。具体的には コンテンツの品質が低いとされるホームページや、コピー&ペーストされたコンテンツを多く含むページを検索結果から排除するといった動きをします。

 2012年に公開したのが、低品質のコンテンツを含むページへのリンクが多数張られているなど、不適切なSEO対策が施されているページを、検索結果から排除する「ペンギン・アップデート」です。

 さらに2013年には「ハミングバード・アップデート」を公開しました。パンダ・アップデートやペンギン・アップデートは、低品質なページを検索の上位に出さないようにする、という「減点主義」でしたが、このハミングバードは違っていました。良いコンテンツ、検索ユーザーにとって価値の高いページを検索結果の上位に表示することを目的としているのです。

 もちろん、適切なSEO(検索エンジン最適化)を講じることは重要なのですが、ハミングバード・アップデートはさらに踏み込んだ取り組みを要求しています。サイト制作者に対して、サイト訪問者が求める内容の文章を、自分自身の言葉で書くことを求めているのです。

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