「YouTube」や「ニコニコ動画」をはじめ、コンシューマー市場では動画の閲覧がより身近な存在となってきた。では、法人市場はどのような状況だろうか。今回は、動画の利用状況を読者モニターに尋ねた。

Q1. 動画を業務に利用していますか
Q1. 動画を業務に利用していますか

 動画を業務に利用している企業は43.9%(「多用している」と「一部で利用している」の合計)。大半は「一部の利用」にとどまる。利用領域は「社内教育・研修」が44件(53.0%)で最も多く、商品やサービスの「広告・宣伝」と「プレゼン」がそれぞれ31件(37.3%)、「デモ」が24件(28.9%)と続く。動画の撮影や編集は、自社で手掛けている企業が41件と多く、両方とも外注している企業(25件)を上回った。動画制作の費用も企業ごとにバラバラで、自社制作を除くと、「50万円以上100万円未満」が5件、「10万円未満」と「40万円以上50万円未満」がそれぞれ3件といった分布になっている。

Q2. 動画の利用領域はどれですか
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 これまで制作した動画の本数は「30本未満」が34件と大半を占めた。一方、「50本以上100本未満」が6件、「100本以上」が8件と量産している企業もある。動画1本当たりの平均時間(目安)は上位から順に「5分以上10分未満」が16件、「10分以上30分未満」が15件、「1分以上3分未満」が10件となった。社内教育・研修の用途が多いこともあり、平均時間は思ったよりも長めの結果が出ている。

 自由記入欄では、「動画は文字や静止画に比べて飛躍的に情報量が多いので、伝達効果が大きい」と多くの企業がメリットを認める。ただ、動画の撮影や編集に費用や手間がかかる点を課題に挙げる企業が多く、「ネット上で簡単に編集できるサービスの拡充が望まれる」といった声が目立った。このほか、「最近は業務に必要な動画がYouTubeで公開されていることがあり、業務に不要なアクセスをどう遮断するかが課題」として運用管理面の問題を懸念する声もみられた。

回答者のコメントから
 動画の将来性は十分にある。ハードウエア、特にネットワークの進化は速いので、インフラ面のネックは早晩解消されていくだろう。ただ、業務に使う動画コンテンツはそれなりの完成度が求められるため、作成側のスキルが問題になる。逆に言えばそこにビジネスチャンスがあるのではないだろうか。
●調査概要
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2014年1月17~26日
回答企業数(回収率):411社中189社(46.0%)