ビジネスパーソンが最も頻繁に利用する業務アプリケーションのひとつであるメール/グループウエア。だが、あまりにも日常的な存在であるがゆえに、その強化がないがしろにされるケースが目につく。第2回は、これまた最も頻繁に利用される機能である「電子メール」の課題について取り上げる。

コミュニケーションのゴールは「意味の共有」

 今回は、職場において最も頻繁に利用されるデジタルコミュニケーション手段である電子メールを巡る課題を取り上げるが、その前にまず、コミュニケーションの「本来の目的」について改めて考えてみたい。コミュニケーション基盤に関わる議論では、ややもするとその手段にばかり焦点が当てられがちだが、何をもって「コミュニケーションが良好である」と言えるのか、「その目的は何なのか」といった議論こそが実は重要であると考えるからだ。

 この点について、慶應義塾大学大学院教授の清水勝彦氏は、著書『戦略と実行』(日経BP社)の中で、コミュニケーションを「送り手が受け手と意味を共有する(度合いを上げる)ための、対話、会議、メールなどを含めたさまざま行動」と定義づけている。そして、コミュニケーションには3つのレベルがあり、情報を交換するという行為だけでなく、なぜその情報が重要かを示すロジック、さらには、そのロジックを導く土台となった価値観や考え方までをも伝達・共有できなければ、真のコミュニケーションは成立しないと説く。

 つまり、重要なのは「情報の共有」ではなく「意味の共有」だというわけである(図1)。

図1●コミュニケーションの目的
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